Feather to Fire from Gregory Colbert on Vimeo.
久々の六本木ヒルズ。
お台場のノマディック美術館「ashes and snow」公開に先立ち、
森アーツセンターギャラリーで「animal totems」が開催中。
「ashes and snow」のほうもはじまり、
「animal totems」は4/1で終わってしまうので急いで行ってきました。
学生料金で行きたかったがしかたない。
人間と動物との驚異的な交流の姿を捉えた作品の数々。
本展では大型写真作品15点の展示と短編映像『俳句』2本の上映がされています。
『俳句』1本目。
密林の中で繰り広げられる人間と動物の交歓の数々。
船の中で眠る子供とそれを見守る鳥。
木の上の若者とナマケモノ。
船の中でじゃれあう女性とオランウータン。
日本語によるナレーションで語られる『千の川』という物語がまたイイ。
船でチェロを弾く象を乗せた船が難破してしまう。
象の弾くチェロの音色に引き寄せられるクジラの群れ。
象たちはクジラの橋を渡り、とある島に上陸する...
『俳句』2本目。
砂漠の中で繰り広げられる人間と動物の交歓の数々。
動きの多かった1本目に比べて、風にたなびく黄砂の中でじっとたたずむ
アフリカの原住民らしき人々とチーターたちの姿が対照的でした。
羽は火に、火は血に、血は骨に、骨は杖に、杖は灰に、灰は雪に...
というようなナレーションが流れてました。
写真はこれらの映像の中のシーンをそれぞれ切り取ったような感じですが
パンフレットによれば写真は独自に撮影したもので映像から流用したもの
ではないそうです。
僕は動物たちを人間社会に共存させることには正直抵抗を感じます。
人間のエゴを押し付けてるような気がして。
一方でインスタレーションと呼ばれる映像作品にも正直抵抗を感じてしまう。
わけの分からないものに対して与えられる混乱が怖いから。
でもグレゴリー・コルベールのこれらの作品は、
人間と動物たちによるインスタレーションというような作品でありながら
全然抵抗を感じませんでした。
それどころか何度も何度も魅入ってしまった。
それはたぶん、世界を共有する喜びを感じさせてくれるからではないだろうか。
本来同じ人間同士でさえ世界を共有するのは難しい。
人は誰もエゴの世界から出られないから。それは動物もまた同じ。
それでも人は世界を共有したいと願う。
言葉を持たない(持っていたとしても人間には理解できないのだろうけど)
動物たちもそれを願っているのかは分からない。
でもこの作品の中での交歓している人間と動物たちは本当に幸せそうに見えた。
それも僕のエゴかもしれないけど、それでも世界を共有する喜びが見える。
世界を共有すること。
それがエゴという世界から出ることができない人間の、動物の、
見果てぬ夢なんじゃないでしょうか。
デザインは世界を共有する手段であり、
だからこそ一元的な正解がないのではないでしょうか。
この展示会に行くと、お台場の「ashes and snow」の割引チケットが
900円(通常1,900円)で買えます。
...というわけで、割引チケットを買って、お台場へ。
「ashes and snow」編へ続く。