プロダクトデザインのカタチとココロ

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表紙にある卵型の金属物体に惹かれて本屋の店頭で手にとった。
そのときは買わなかったけどこれが「人を惹きつけるデザイン」なんだな、
ってそのとき感じた。

本書は以下の10人のデザイナーの作品とインタビューを掲載したものです。


  秋田道夫、安次富隆、川崎和男、喜多俊之、小泉誠、
  塚本カナエ、廣田尚子、村田智明、山中俊治、山本秀夫


このうち名前を知っているのは半分ほどですが、
手がけた作品をみればその多くは一度は見たことのあるものばかり。


思わず触れたいと思うもの。
僕はそれを作りたい。

元ソニー社員の秋田道夫さんと安次富隆さん。
表紙の卵型の金属物体は安次富さんがソニー退社後独立して立ち上げた
ザートデザインでの実験的プロダクトで、人間の想像力を喚起することを
目的としたものだそうです。

これからのプロダクトには用途を開発者が限定してユーザに押し付けるものじゃなく、
ユーザの想像性によって様々な用途に使えるようなものを提供することが
求められているのじゃないかと思うのです。

ユーザの想像性を喚起するにはまずは触ることからはじまるわけで。
だから第一印象で「思わず触りたい」とユーザに思わせることはとても
重要なことだと思うのです。


そのほか自身が使う車椅子デザインをはじめとしてディスプレイや包丁、
メガネなど幅広い分野で活躍する川崎和男氏、
メタフィスの村田さん、LEDの山中さん、
グッドデザイン審査委員長を務めたことのある喜多さん、などなど。

小泉さん、塚本さん、廣田さん、山本さんは
まだちょっとそのデザインの特性がつかめず。


リアリストの僕にはグラフィックだと面だけで物足りない。
音と視覚だけでは物足りない。想像力だけでも物足りない。
見えない空間を作るのもまだピンとこない。

曲がりなりにもものづくりの会社に14年いて、
自分としてはものを作っている、という意識が持てないでいたけれど、
こうして外にでてみると、僕はものづくりの環境にて、
その環境にそれなりに感化されているのかなあ、とあらためて感じます。

形に囚われてはいけないけれど、やはり僕はものの形にこだわりたい。
分野にこだわりなく幅広いデザインがしたいけど、
ベースとなる地盤はこれだというものを持っておきたい。


そう考えると僕の地盤はやはりプロダクト・デザインなのかな。