フィラデルフィア美術館展【東京都美術館】

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[図録 2500円]


クリスマス・イブも近づいてフィラデルフィア美術館展も
それと同時に終わってしまうということで急ぎ出かけてきました。

上野は東京都美術館。
オルセー美術館展以来です。
あの時は桜が満開の時期で周囲はピンク一面でしたが、今回は黄色一面。

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[美術館入口の銀杏]

12月に入って日に日に寒くなっているというのに
上野公園はまだ秋の装いの美しさを保っています。


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[チケット]


今回は大学で手に入れた割引券で学生料金1,200円から100円割引の1,100円。
ネット割引に気づいていればもっと割引特典受けられたのですが。

現在クリスマスキャンペーンをしてるらしく、入口でタンブラーかチョコレートを
クリスマスプレゼントとして配っています。
平日のみ14日までタンブラーは50個、チョコレートは100個を毎日先着でもらえるので
平日行ける方は早起きは三文の徳です。

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自分は形として残るタンブラーを選択。
カンディンスキーの「円の中の円」がプリントされてます。


さて。
展示は「印象派と20世紀の美術」というサブタイトルのごとく、
印象派から現代美術までを時間の流れに沿って幅広く展示されているわけですが
オルセー美術館展に比べると心なしか展示数が少なかったような気がします。
内容もオルセー展のほうが面白かった気がする。

展示の流れに沿って、お気に入りの作品をピックアップしていきます。
会場内は撮影禁止なので、ネットから画像を集めてみました。


1.写実主義と近代市民生活ー1855−1890年


[エドゥアール・マネ『キアサージ号とアラバマ号の海戦』1864年]

オルセー展で見た「アンリ・ロシュフォールの逃亡」と同じく波の躍動感に感動。



[ウジェーヌ・ブーダン『エトルタの浜辺』1890年]

後述のモネのエトルタとの比較が面白い。


2.印象派とポスト印象派ー光から造形へ

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[エドガー・ドガ『室内(後に強姦)』1868-69年](出典:Wikipedia)



[エドガー・ドガ『14歳の小さな踊り子』1878−81年]



[クロード・モネ『マヌポルト、エトルタ』1885年]

一番のお気に入り。
海岸風景を描いたものですが、水面に光が反射する具合が絶妙にキレイ。
さすが印象派の巨匠、って感じです。
前述のブーダンのエトルタとの比較も面白い。


3.キュビスムとエコール・ド・パリー20世紀美術の展開


[ワシリー・カンディンスキー『円の中の円』1923年]



[アンリ・マティス『青いドレスの女』1937年]



[マルセル・デュシャン『画家の父の肖像』1910年]

フィラデルフィア美術館はダダイスト、マルセル・デュシャンの有数のコレクション館
だそうですが、ダダ的作品だけでなく、『画家の父の肖像』のように普通の絵も
描いていたのにはびっくりでした。
ただ展示数が二点のみというのが物足りなくて残念だった。



[コンスタンティン・ブランクーシ『接吻』1916年]


4.シュルレアリスムと夢ー不可視の風景


[ジョルジョ・デ・キリコ『占い師の報酬』1913年]



[ジョアン・ミロ『月に吠える犬』1926年]


シュルレアリスムの展示もボリュームが少なくて少々物足りなかったな。


5.アメリカ美術ー大衆と個のイメージ


[ジョージア・オキーフ『ピンクの地の上の2本のカラ・リリー』1928年]



[ドロテア・タニング『誕生日』1942年]

ドロテア・タニングはシュルレアリストのマックス・エルンストの奥さんですね。


最後はアメリカの現代美術で締めくくられるわけですが、
やはりヨーロッパ絵画に比べると歴史の薄さを感じてしまう。
なにが悪い、というわけではないんですけど。
まあそのぶんアメリカはデザインで世界をリードしたわけで。
アートはヨーロッパ、デザインはアメリカ、ってとこでしょうか。

『美の巨人』でとりあげられていたジョージア・オキーフの
「ピンクの地の上のカラ・リリー」はキレイだったな。


ちょっとした物足りなさから買おうかどうか迷ったけど、
モネの絵はやっぱりよかったし、勉強になった部分もたくさんあったので
結局カタログを購入しました。

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2500円なり。


1時間半ほどで見終わって、
西洋美術館でやってたムンク展、上野の森美術館でやってるシャガール展も
行ってみたかったけど寝不足状態だったこともあってどっと疲れたので
日本での唯一のコルビジェ設計の西洋美術館の外観を写真に収めて帰途につきました。

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しかしムンク展は高い~
大学生でも1,000円とるとは。