サロメ【ギュスターヴ・モロー】

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[出現(水彩バージョン)](出典:Wikimedia)


金曜日の「文学と芸術」の授業。
ただいまギュスターヴ・モロー。

中村先生の好きな画家ということもあって、2週に渡り作品紹介。
いや、来週もやりそうな感じ。


シャセリオー、ドラクロワらロマン主義の影響を受け、
自らは象徴主義の先駆者となり、
マティス、ルオーというフォービスムの画家を輩出した。

古典から近代絵画への移行期に位置した画家なのでしょうか。


モローは、神話を題材にした作品が圧倒的に多い。
その独特の美しさから、好きな画家の一人なのだけど、
一番好きなのは、やはり一連の「サロメ」シリーズかな。


聖書には「ヘロデヤの娘」としか記されない女性を独自の解釈で描き、
後のオスカー・ワイルドの戯曲やリヒャルト・シュトラウスのオペラの元となった。


サロメは、新約聖書に登場する女性。父はユダヤのヘロデ大王の王子ヘロデ・ピリッポス で、母はヘロデ大王の孫ヘロディア。義父は、実父の異母兄弟であるヘロデ・アンティパス。サロメの母ヘロディアは、はじめヘロデ・ピリッポスの妻となりサロメをもうけたが、後に実父の異母兄弟であるヘロデ・アンティパスと恋仲になり離婚、ヘロデ・アンティパスの妻となった。このため、サロメはヘロデ・アンティパスの姪でもある。
サロメは、ヘロデ・アンティパスに、祝宴での舞踏の褒美として「好きなものを求めよ」と言われ、母ヘロディアの命により「洗礼者ヨハネの斬首」を求めた。(Wikipediaより)


モローの描くサロメには、いろんなバージョンがあります。

首を切られた予言者ヨカナーンが復活する「出現」シリーズ。

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[出現(油彩版)](出典:Wikimedia)


王の依頼により踊るサロメ。
その褒賞として、サロメは愛するヨカナーンの首を求める。

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[ヘロデ王の前で踊るサロメ](出典:Wikimedia)

通称「入れ墨のサロメ」と呼ばれるもの。


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[ヘロデ王の前で踊るサロメ](出典:Wikimedia)

背景のバックが壮大。


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[牢獄のサロメ](出典:Wikimedia)

牢獄にいるヨカナーンに会いにいく、という想定か。


Salome_in_the_Garden_by_Gustave_Moreau.jpg
[庭園のサロメ](出典:Wikimedia)

これまでのサロメとはうって変わって、「静けさ」を感じる一枚。


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(出典不詳)

こんなサロメもあるんですね。


...一番のお気に入りはやはり冒頭の「出現」の水彩画かな。


そのほかのお気に入りのモロー作品。

MoreauLeda.jpg
[レダ](出典:Wikimedia)


Galatee-Gustave_Moreau-IMG_8246.jpeg
[ガラテア](出典:Wikimedia)


Gustave_Moreau_Orphée_1865.jpg
[オルフェウスの首を抱くトラキアの娘](出典:Wikimedia)


Gustave_Moreau_-_Les_voix.jpg
[声](出典:Wikimedia)


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[ダビデ](出典不詳)


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[神秘の花](出典:Wikimedia)


美とはかくも奥深き世界かな。

美そのものは秩序でありながら、その奥深さは渾沌としている。