[日傘の女性](展示では右向きバージョンが展示、画像は大塚国際美術館の陶板画)
国立新美術館で開催中のモネ大回顧展に行ってきました。
さっそく学生特権を使うわけですよ。
通常大人当日券は1,500円ですが、
ここでもらったばかりの学生証を提示すると...
学生料金の1,200円になるはずなのですが...
なんと!
多摩美は特別会員かなんかで団体料金扱いでさらに安くなって、
900円でした~
多摩美入ってほんとうによかった...
んでこれがチケット。
世界で最も愛された画家らしく、平日だというのにけっこうな混雑でした。
まあでも会場が広いぶん、行列になって待つ、ということはないですけど。
[サン=ラザール駅(1877年)](画像は大塚国際美術館の陶板画)
[ルーアン大聖堂(1893年)](画像は大塚国際美術館の陶板画)
[舟遊び(1887年、国立西洋美術館蔵)]
モネの絵をはじめて間近で観たのはニューヨークのMoMAでした。
巨大な「睡蓮」。
その巨大さに圧倒された。
オルセー美術館展でもモネの作品は展示されていたけど
他の画家の作品と混在していたせいか正直よく分からなかった。
とくに印象派、というのは現実を少しぼかしたような絵風で
素人目にはどれも似たり寄ったりに見えてしまい分かりにくい。
やはり個展というのは大事なんですね。
数多くのモネの絵を観ることでモネの魅力が分かってきた気がします。
例外的に抽象画のような絵もありますが多くは生活風景、自然風景など
どこかで見た景色だな、というような日常風景がほとんど。
人物像はその多くが目や鼻や口などは詳細に描かず、ぼけた感じ。
「菫の花束を持つカミーユ・モネ」など描いたものもいくつかありますが
個人的にはあまり好きじゃありません。
「日傘の女性」は目・鼻・口による表情こそ描かれていないけど、
なぜかそこには笑顔があって爽やかさ、というかそんな幸福感が漂う。
絵の前に立って、普通に目の焦点をあわせるとちょっとピントがぼける。
しかし、そこでちょっと意識的に目の焦点をぼかしてみると...
驚くほどろリアルに、写真を通り越してあたかも自分がその風景の前に
いるようなそんな錯覚に囚われるのです。
まさにそれがモネの絵の魅力なんじゃないかな。
だから絵を観る人はだいたい絵からちょっと離れて見る人が多い。
距離をとってピントをぼかしてみるほうがよく見えるから。
でもそれだと絵が小さく見えてつまらない。
近接距離で意識的にピントをぼかしてみるのが一番よく見えると
僕は思うのです。ただ、この見方はかなり目が疲れますけどね^^;
その見方による効果がてきめんに表れるのが水面を題材にした絵。
一見、一面に見える水面も「波」を表すことで
無数の面で構成されていることが分かる。
そして止まっているように見える水面も常に動いているのだと。
水面を題材にした絵の中でもとくに秀逸なのが「睡蓮」の連作シリーズ。
ニューヨークのMoMAほどの大きなものはないけれど、
大小さまざまな睡蓮の絵にピントの魔力が勇躍している。
晩年の作品だけに彼の絵の集大成がそこには含まれている。
初期の頃は水面に投影される影と投影物そのものの両方が描かれていますが、
睡蓮の多くは水面へ投影される影のみが描かれています。
それがかえって現実性と幻想性の同居してる様が美しく映えて見える。
展示はモネの作品のみならず、
モネの影響を受けた現代美術の画家たちの作品も展示されていました。
個人的にはよく分からなかったけど。
やはりモネのほうが断然よかった~
最初はピカソやダリの絵に比べて地味で中途半端~
と言ってたのがすっかりモネの魅力にはまってしまいました。
...んでやっぱり買ってしまいました、ガイドブック。
[図録 2,300円]
レプリカも売ってたけど、やはり高い~
やばい。
絵が欲しくなってきた。
金持ちにならなきゃ。