カルティエ現代美術財団コレクション展に行ってきました。
場所は清澄白河にある東京都現代美術館(MOT)。
思ったより巨大な美術館で、展示会も大規模なものでした。
入場料に1,500円とるだけのことはある。
真面目に全部見ると、たぶん1日がかりになるでしょう。
真面目に見れば、です。
真面目に見るとかなり疲れること間違いなし。
半分はわけのわかんないもので、精神的に見るのが苦痛でした。
そんなわけで本展示会とMOTの常設展示を2時間で見終えました。
ま、芸術を追求したいわけではなし、
あくまでデザインの勉強の一環ですから。
そして目当てはマーク・ニューソンのケルヴィン40、ただひとつですから!
ケルヴィン40は予想通りのカッコ良さだったのですが。
意外とすごかったのがロン・ミュエクの「イン・ベッド」。
スケール2,3倍の女性がタイトルどおりベッドで横たわっている姿
なのですが驚くほど精密にできているのです。
肌の色具合、シワ、血管の筋などすごくリアルで
触りたくてしょうがありませんでした。
そのほか松井えり菜さんの展示コーナーでは本人が自ら説明員として
熱心に解説されてました(恥ずかしくて声はかけれませんでしたけど;;)。
作品自体はグロテスクな絵ですが本人はとてもチャーミングな方でした^^
デニス・オッペンハイムの「テーブル・ピース」は異様でした。
50mくらい離れたテーブルに向かい合った白い人形と黒い人形が、
お互いに延々と、
Black, Black, Don't Black, Don't Black,
White, White, Don't White, Don't White,
と(言ってるように聞こえた)繰り返しているのです。
人間の精神の様子を具現化したとのことですが
あまり気持ちのいいものではないですな。
デザインは一人で成り立つものでなく、二人以上、つまりコミュニケーション
を目的としているものだと僕は思う。
そこに苦痛や嫌悪感など破壊的な要素はなく、常に楽しさ、快適性を求める
建設的要素が存在すると思う。そこが僕がデザインの好きなところ、とも思う。
一方、芸術(アート)は人間の内面に潜むあらゆるものを表現することだと
僕は思う。そこには建設的要素はもちろん、破壊的要素も含まれる。
見て苦痛だと思われる作品を創作する必要があるのか、
と最初は思ったものですが、どんなものも対極性による存在価値、
というものがあって、悪があるから善があり、悪のひどさを理解することに
よって善のよさが理解できるのである。
誰だって破壊的な結末は望んでいないはずだ。
最終的には建設的な未来を望むはず。
それにはまず破壊とはどういうものか、前もって体験する必要があるのだ。
デザインが必要な状況とはなにか。
それを知る上でも今回の展示会は非常に参考になりました。
ただあまり気分のいいものではないけど。
※本記事中の画像は必ずしも本展での展示状況を示すものではありません。