地デジの時間

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宇和町の池田家さんで開催されたイベントに参加してきました。

池田家さんは先日ユスモクの囲炉裏を納品させていただいた素敵なギャラリー喫茶です。
その酒蔵がまたいい雰囲気の空間で、いろんなイベントに使われています。

今回はデザインを地域づくりに生かす「地域デザイン」講座ということで
参加したのですが、正直講師の迫田さんについてはあまり知りませんでした。
まだまだ勉強不足。

加えてこの日は病み上がりに花粉症、と体調がイマイチだったこともあり、
講座だけ参加して交流会には参加せず、ちょっと消化不良な感じだったのですが、
迫田さんのお話は少なからず刺激を受けました。


デザイナーと名乗るには、まだ実績も自信もない。
それでも「デザインとはなにか」については、人一倍考えている自信はある。

ただこれまでは、デザインはデザイナーがするものだと思ってた。
でも技術が技術者だけで行われるものではないように、デザインもデザイナーだけがするのではない。
誰もがデザインという行為をしている。
ただ、デザイナーはその行為をより強く意識し、その行為の効果を強く信じている。

デザイナーが人々をデザインへと導く。
そしてみんなでデザインする。

みんな=地域が「地域デザイン(地デジ)」。


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講師の迫田司さんは、かつて都会の印刷会社に勤めてて、
たまたま訪れた四万十でカヌーの面白さに出会って田舎に移住、
現在は百姓をしながらデザインをする「百姓デザイナー」だとか。
あの梅原真さんの弟子なんですね。

迫田さんでさえで田舎でデザインで食べていくのに10年かかったとか。
はたして自分が田舎でデザインで食っていこうと思ったら何年かかるのか。

田舎でいきなりデザイナーは無理やろ、と思ったから、
僕は今の仕事に就いている。
その場しのぎ的な部分がない、といえば嘘になるけれど、
この仕事は田舎での最適な仕事の仕方を考えるために必要なステップでもある。
田舎を知らず、都会の論理を勝手に持ち込んでもうまくいくはずがないのだ。

配布資料の中にこういう記述がありました。


「...引っ越してきた時に、地域を理解するまでは、部落会や寄り合い、組織集会などに出席をしても「発言しない」と決めた。自分勝手な都会生活者理論を展開する前にこの地域のことを素直に知ろうと考えたからだ。20年近く経った今では、地域や学校などの役員をたくさん受けている地元のアクの強いおんちゃんや堅物のじいさんの付き合い方もわかり、最近では「猛獣使い」とまで呼ばれている。頭だけでなく、いろんなことを体の体験で覚えていくことが大切だと思う。ここでには人の生き方をよりよくするヒントが地層のように積まれている。」


自分の中にもどこかこのような部分があります。
地域のおっちゃんからは「もっと自分をアピールせんかい」と叱られますが、
正直どうアピールしたらいいのかまだよく分からない。

ここに書いていることをそのまま言えばいいとも思わないし、伝わるとも思えない。
僕がここで書いていることはまだ「自分勝手な都会生活者理論」だから。
もちろん言うべきところで言うべきことは言わねばならないのだろうが、
世の中そんなに簡単にはいかない。
おしゃべりな人が必ずしも伝え上手なわけではなく、
口数の少ない人が必ずしも伝え下手とも限らない。

「伝える」ことの難しさと面白さを伝える。
それがデザインの使命ではないでしょうか。


もっともっとデザインにのめり込みたい。