四国の地域おこし協力隊交流勉強会

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遅い夏休みが終わってすぐ。

四国の地域おこし協力隊交流勉強会に行ってきました。
会場は伊予市のウエルピア伊予。
遊子川からは車でおよそ一時間強ほど。
地元といえば地元。

去年は高知県本山町での開催でしたが、参加できなかったので、
今回はフルコースで参加することにしました。

内容は地域づくりワークショップのお決まりのコースで、
活動紹介→現地視察→討議→発表→講評+交流会(という名の飲み会)。

この一年半、地域づくり要員としてさまざまな研修、交流会に参加してきました。
こういう交流や勉強会は確かに大事です。
一人でできることは限られているのだし、
「風の人」の役割は常に新鮮な風を地域に流し続けることなのだから。

ただ、そのワークショップのやり方については、
もう少し質の向上があってもいい気がしてます。
ただ名刺を交換して、現場を見て、飲み会の席で語って、テーブルの上で議論する。
悪くはないと思いますが、
費やすエネルギーに対して得られる結果ははたしていかほどなのか。

それは開催者・参加者それぞれに違うものだと思いますが、
正直僕はこの手の交流会はもういいや、と感じはじめてます。
根が営業系ではないのもあると思います。
もうすぐ任期の半分が過ぎようとしており、
すでに自分がやろうとしていることがある程度固まっていることもあると思います。

情報収集に力を注ぐ時期は過ぎ、実践する時期がきている、ということなのかな。


地域おこし協力隊の活動形態には大きく2つのタイプがあると個人的には思ってます。

まずコンサルタイプ。
地域おこしのプランについていろいろアイデアを出す。
このタイプはコネ作りがもっとも大切であり、
任期の間常に交流会や勉強会に出ておくことが必要かと思います。

そして作業支援タイプ。
こちらはある程度地域でやることが決まっていて、
それを地道にコツコツと実践していくことがなによりも大切。
もちろんこのタイプにおいてもコネ作りは重要ですが、
コンサルタイプのようにコネ作りはメインではなく、
副次的なものになります。

僕はどちらかといえば後者タイプです。
だからといってコンサル的な仕事が一切無いか、しなくていいか、というと
もちろんそんなことはありません。
どんな地域づくりであれ、コンサルも作業も両方不可欠なものですが、
どちらに重点を置くか、を認識することは大事だと思います。
自分が地域おこし協力隊としてどんなスタンスでいるべきか、
自覚して、それを周囲にアピールする必要があるのではないでしょうか。

特別公務員という立場であっても、公務員である以上、
公務員としての規範を求められることが往々にしてあります。
それは至極当然のことである反面、
「特別」がつくことによる例外的側面もあります。

その規範の一つに公務員は専門職ではなく一般職、
公益を求めるものであって、私益を求めてはならない、というものがあります。

特別職として私益を求めることについては、
公益にもなることを条件に副業が明確的に認められました。
(それも任期が一年経ってからですが)

が、もう一方の専門性についてはなかなか理解を得るのが難しい気がしてます。
もっとも、リソースが少ない以上、得意な分野だけやっていればいい、
というわけにもいかない部分もあるので、
それも無理からぬことだと思うのですが、
あまりに「なんでも屋」の側面が強すぎると、
せっかくの専門性も生きてこなくなる。
今、そのことをもっとも心配しています。

少ないリソースでいかに効率良くやりくりをしていくか、ということと、
なにが得意なのか、という専門性の発掘と活用が、
今後の田舎の活動の鍵になるのではないでしょうか。


さて、今回の交流勉強会ですが、
いくつか現場を見る機会がありました。

僕がいたグループは双海のシーサイドライン、石窯、指定文化財の木造小学校と、
中山町佐礼谷地区を回りました。

僕が一番印象に残ったのは、指定文化財の木造小学校。
...まあ建築的興味からですが。

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愛媛県内で現存する最古の木造校舎だそうです。
が、改築したばかりなので外観はあまり古さを感じさせません。

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見た感じは新しいですが、ちゃんとそれまでの古い木材を再利用しているそうです。
カンナひとつ皮を剥ぐだけで生まれ変わるものなんですね。

またいい感じで年を経ていくことでしょう。

この良いハードを良いソフトで良い活用をしてほしいですね。


さて、夜は交流会。
四国の地域おこし協力隊とその関係行政職員の集まりなので、けっこうな人数。

僕は一気に大人数と仲良くなる、というのが苦手で、
とりあえず周囲に座った人たちに的を絞って、じっくりお話を聞かせていただきました。
そのほうが身のためになると思うので。

今回話せなかった方も、また縁があればじっくり。

まあ、それでもけっこう盛り上がって、
二次会はカラオケで日付が変わる直前までどんちゃん騒ぎ。
まあ、たまにはこーゆーのも、ね。


翌日は前日の視察を元にグループ毎に討論、そして発表。

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こういうワークショップではあまり現実に囚われすぎず、
面白いと思うものを提案すればいいと思う。
無責任でいれるからこそ出てくる面白さがあると思う。
そのタネに水をやって育てるかどうかは関係者が判断すればいいのだから。

それにしても模造紙に付箋、というスタイルはいい加減やめたほうがいい気がするなあ。
自グループ内での検討に使うのにはいいけど、
発表時には第三者にはほとんど伝わらない。
まあ検討用と発表用とで紙を分ければいいだけの話なんだけど。
毎回そう思いつつ、時間に追われて結局そのまま発表してしまう。

アイデアの検討もいいけど、
そのアイデアを「いかに伝えるか」ということにも、
十分意識を注がなくては。


さあ、時は満ちた。
実践の時が。