先日、遊子川の名景・行事・特産を掲載したカレンダー案を作成しましたが、
この案を地元の地域活性化組織「遊子川もりあげ隊」に相談したところ、
今年はお試しで主要関係者のみに配布することに。
そのため、今回は全部手作業で配布分を作成。
一部13枚のカレンダーを10部作る。
月めくりしやすいように上端より1cmのラインにミシン目カッターで折り目を入れる。
その後ホッチキスで止めた後、綴じテープを貼る。
ただこれだけの作業に半日以上の時間をかける。
お金があれば外注して入荷するのを待つだけである。
逆にお金が無いからこそ、これだけのものを作るのに必要な材料と労力が
どれだけ必要かを身を持って体験することができたのである。
お金があればなんでも手に入るわけじゃない。
逆にお金があるからこそ、失っているものもじつは少なくない。
だからこそ、本当に必要なものはなにか、まずそれをしっかり把握する必要がある。
その上でその必要なものをどうやって手に入れるか、熟考するのである。
どこでお金を使い、どこで知恵を使い、どこで人の情に頼るか。
それを考えることが「良いものをつくる」ための出発点ではないだろうか。
いろいろ検討した結果、各月の絵は下記のようになりました。
「ふれあい三世代の集い」で製作した門松で新年を迎えます。
雨包山・樽滝の雪景色。
僕自身はまだ遊子川で雪景色を拝めていません。
さて、いつ拝めることやら。
遊子川の玄関口、辰ノ口に遊子川の案内板を設置。
むろん、この作業も僕は立ち会えませんでした。
東京の大学を卒業したところでしょうか。
小狭公園の桜。
4月終わりに遊子川に来たので、残念ながら僕は遊子川でまだ桜を拝めておりません。
川の上にでっかい鯉のぼりを35匹上げる。
遊子川に来て最初のお仕事がこれでした。
南平の茶堂。
深緑に古いお堂が映えます。
同じく雨包山のヤマアジサイ。
鑑賞用のアジサイほど派手ではないけれど、
慎ましやかに、しかし美しく咲き誇ります。
誓願寺の楽念仏。
田舎にも文化はある。
遊子川名産のトマト「桃太郎」。
大きくて甘い。
主にトマトソースにしてその味を堪能。
秋祭りの七鹿踊り。
奥州伊達家より伝わる伝統技能。
雨包山・樽滝の紅葉。
色とりどりの自然の神秘。
遊子川唯一の会社事務所のクリスマス・イルミネーション。
5月、6月、12月が先日の案から変更になってます。
5月はやっぱり鯉のぼりでしょ、ということと、
6月、7月と雨包山の景色2枚は要らんでしょ、ということで最終的にこのようになりました。
完成したカレンダーを持って、役場、小学校、中学校、郵便局、地元の会社などに配布。
日頃の感謝を伝えると共に、遊子川のアピール。
そしてカレンダー自身でアピールの持続。
ここはこうしたら?
無料配布じゃなくて販売したら?
...という提案や、とてもイイ、住民全員に配ったほうがイイ、というお褒めの言葉など。
概ね好評価だったのはもちろん、
いろんな人と会話できたのが嬉しかった。
言葉だけだと5分と続かないほどのまだぎこちない間柄。
それをこのカレンダーが取り持ってくれる。
カレンダーに込められた「気持ち」が互いを取り持ってくれる。
大切なのは「形」ではなく、「魂」だと言うけれど。
魂はそれだけでは存在し得ず、それを入れる器である「カタチ」が必要である。
魂の入っていないカタチが無意味なのであって、カタチそのものが無意味なのではない。
魂とぴったりマッチするカタチを考えること。
それが「良いもの」を作るということではないだろうか。
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