天使の卵

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天使の卵』観てきました。

この記事は内容を暴露することが目的ではありませんが、
いかんせん観終わった後の感想であるがゆえに
一部ネタばれ的な部分もあります。
また僕は原作を先に読んで、その上でのレビューです。

小説、映画をこれから観よう、読もうと思ってる方は
ネタばれ前提で語られることを了承の上でご覧ください。
ネタばれしてほしくない人は以下は読まないでください。


では。

YouTubeで予告版見つけました。
中国語字幕版だけど。


考えてみたら原作を先に読んで、その後観た恋愛映画で
「サイコー!」と思えたものはこれまで僕にはなかった。

いまあい」も、「セカチュー」も、「タイヨウのうた」もまず映像ありきだった。
だから良かったのかな...


そのせいかどうか分かりませんが、
映画は途中から僕を冷めさせてしまった。
原作ではあれほどやりきれないせつなさがこみあげてきたのに、
映画は安っぽいラブ・ストーリー、になってしまってた...

大好きなコニタンが主演だったというのに。
清純派で通していた彼女が珍しく濡れ場を熱演していたというのに。

僕は素人なので映画の優劣をここで語る気はありません。
僕のためだけに映画を創ってくれてるわけじゃないし、
ただ自分には合わなかっただけ、と納得している部分もある。

でもね。
やっぱり残念だった。
原作のやりきれないほどのせつなさがどうして映画で出てこなかったのかな。

物語は概ね原作に忠実です。
ただ細かいところで、しかしその細かいところでにじみ出ていた
切なさが消されてるような気がしてならなかった。


まず。
原作は歩太の視点で春妃との出会いから別れまでが順次語られていく。
一方映画では春妃の死から4年経過した時点が物語の主軸になってます。
物語は春妃の妹、夏姫の視点で語られていく...

このことが春妃がヒロインのはずなのに春妃の存在が薄れているように、
逆に夏姫のほうが目立っていたように僕には思えた。

夏姫は天使の梯子、ヘヴンリー・ブルーで思う存分出てくるんだから、
天使の卵は歩太と春妃の物語なんだからもっと歩太と春妃に二人を
全面に出してほしかったなあ...
そりゃ沢尻エリカは今すごく旬だけどさ。

まずそこが残念。


さらに。
物語のラスト。
原作では春妃の死後直後、歩太がクロッキー帳を開いて、
もう戻ってこない春妃のスケッチで埋め尽くされていた、という
なんともやるせない部分で終わるのに対し、
映画は歩太が立ち直ってもう一度春妃を描けるようになるまでを描いてる。

僕は基本的にハッピーエンドが好き。
ベタでもなんでもハッピーエンドが好き。
...なんだけど。

この物語に関していえば僕は原作のほうがインパクトが強かった。
先に原作を読んだから、というのがあるかもしれない。
でも映画を観終わった後、もう一度原作の最後を読み直しても
やはりこちらのほうがインパクトが強い。

映画は僕にはちょっと中途半端だったのだろうか。

原作ではピアスの名称として使われていたタイトルの「天使の卵」も、
映画では擬卵がどうのこうのとか、
最後に歩太が書き上げた春妃の絵のタイトルだったり。
この辺もなんだかなあ、って思っちゃいました。

やっぱり好きな女優には、最高のストーリーで、最高の演技で、
最高の絵であってほしい、という願望が強いからこんなに厳しい目で
みちゃうのかなあ...

まあ観客すべての望みどおりに映画が創られるわけじゃないけど、
みなさんはどうでしたか?

良かったらコメントしてください~
できれば原作との対比で。

次は「ただ、君を愛してる」。
こちらも原作先読みで、しかも原作にかなり惚れ込んでるからなあ...

...心配だ。