引き続き宮本輝さんの著作を読みました。
複雑な家庭ものがすきなんですかね。この方。
内容は複雑な家庭に育った薄幸の美女と
その周囲の人間とのしがらみを描いたものです。
珍しいのはこの本のヒロインの視点がいっさい
出てこなくて、ヒロインを取り巻く二人の男女の
視点から物語が語られていることです。奇数章は
男性の視点で、偶数章は女性の視点で描かれています。
不思議な魅力を持った美女の謎めいた呪文のような
物語の題名にもなっている「月光の東」というキーワード。
結局著者は最後までこの言葉がどういう意味を持つのか
明確にしていませんが、読者それぞれの「月光の東」
を想像してくれ、ということなのでしょう。
人は美しいものに惹かれる。
その美しさには理由がある。
そしてきれいなバラにはとげがある。
美を追求するあなたにおすすめの一冊です。
その美しさ、誰のためのものですか。
(2006/09/26 Tadaoh! Bookより移動)

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