魔法の言葉

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子供の頃、僕は無力だった。
無力な自分が嫌だった。
早く大人になりたかった。
全てを自分の力でやりたかった...

二十歳になり、成人すると同時に僕は就職し、家を飛び出した。
それから14年...

僕はやっぱり無力だった。
そしてやはり無力な自分が嫌で嫌でしょうがない。
年月を重ね歳をとったぶんその度合いも増しているからなおさら嫌になる。

いつまでたっても大人になれない自分。
いつまでたっても素直になれない自分。

ただそんな僕でも少しずつ「自分」を絞り出せるようになってきて、
いろんな仲間に話せるようになってきた。
ブログもその手段の一つだし、直接人に話せるようにもなってきた。

その話を聞き、僕の師匠がこんなアドバイスをくれた。

  「毎日好きな時間でいいから、

   『私は日々あらゆる面でますます良くなっている。

  ...といいなさい。」

と。


最初言われたときにはすごく抵抗があってなかなか言えなかった。
「ウソでもいいから言え」といわれても言えなかった。

今の僕にはその言葉がどうにも受け入れられなかった。

僕は自分の心のなかで思ってないことを言うことにはすごく抵抗を
感じる人間なのでなおさら口に出せなかった。

そのことを話すと、

  「とにかく言葉の意味は考えなくていいから、
   その言葉に感情を込めなくてもいいから、棒読みでいいから、
   とにかく口に出していってごらん」

と言われた。

よく分からないけど人を信じることは大切だ。
信じることから「創造」が始まり、「共有」が始まり、「進化」が始まる。
とりあえず言うとおりにすることにした。
そしてやらなかったときはペナルティを課すことにした。

そのペナルティは柔軟体操。
やろうやろうと思いつつできないものをここでペナルティとして
無理矢理やらせることができれば一石二鳥というもの。

日曜日からはじめた。毎晩寝る前に5回言うことにした。
一番最初に言ったとき、涙がぼろぼろこぼれた。
情けなかったのか、ウソをつく自分に嫌気がさしたのか、
本当のところはよく分からない。

とにかく僕ははじめた。
僕にとって魔法の言葉になるだろうか。

(2006/02/17 drecomより移動、修正)