タッチストン 大橋晃朗の家具展 【ギャラリー「間」】

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大橋晃朗さんの家具展を見にTOTOギャラリー「間」へ行ってきました。
手塚貴晴+手塚由比 展以来二度目の訪問。
このギャラリーのいいところはたいていのイベントが無料で、
なおかつ写真撮影がOKであること。
気軽に訪問できます。

さらに今回の展示ではほとんどの家具に触ったり、
イスに座ったりすることが許可されていて、
より展示物の様子を深く感じることができました。
(二階展示場の模型などは触るのはNG)

世代的には一昔前のデザイナーさん、ということで
渡辺力さんと同じ匂いがした気がします。
日本のデザインの黎明期に活躍した人なのでしょう。


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大橋さんの作品は主にイスと箱物の収納。
作風には時期によって二段階に別れています。
初期が地味な箱物、後期が派手なイスといった具合。
二階展示場が主に初期の箱物、一階展示場が後期のイス類の展示でした。

1階展示場。
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1階中庭。ボード・ストゥール。
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2階展示場。
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最初は真面目に地味ながらもいいものを作る、ということを
真面目に心がけていたそうですが、あるとき、

「どうせこの社会のなかで矛盾なく家具を提供することはできそうにない。」

こう悟ってから作風が一変してハンナン・チェアやフロッグ・チェアなどの
ような奇抜なデザインへ移行しています。

ハンナン・チェア
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ハンナン・チェア・ロング
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後期の奇抜なデザインのほうが見ていて飽きないし、面白い。
そしていいデザインだなと思った。

ほとんどのイスに座ってみたのですが、地味なイスも、派手なイスも
どのイスも座り心地はスゴクよかった。
初期の頃から地味でも基礎をしっかり大切に磨いていたんだな。
だから後半180度方向転換してもちゃんとやっていけたんだな。


初期は自分が表現したいことよりも、
他人が要求することをきっと優先させていたんだな。
ぐっと自分を押さえ込んでいたのかな、と感じた。

多くの人が望むことを知ることは確かにデザインの原則かもしれないけど、
それ以前に「自分」を見失ってはいけないんだな。

Find Myself !
それが自分がデザイナとしてやっていくための第1歩なのかもしれない。

今回もいろいろなことを教えてくれた展示会なのでした。