21世紀のID展

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気づけば最終日まであと1日、ということで慌てて「21世紀のID」展へ。
場所は行こう行こうと思いつつなかなかいけなかった六本木AXIS

プータローの特権を生かして空いてる平日昼間に行くつもりが、
土曜日ということで会場は混雑ぎみ。
さらに会場内は暗幕を下ろして照明も暗めでなんか圧迫感を感じる。
なんでこんなに暗くする必要があるんだろう。

AXIS10月号の「21世紀のID」特集で紹介されているプロトタイプの
中から22点をピックアップして展示してありました。

「インダストリアルデザインからインタラクションデザインへ」

というコンセプトが示すとおり、内容は主にUIデザインの展示がメイン。
個々のプロトタイプの説明はAXIS10月号の特集中でされているので
ここではあえてせず、僕が感じたことについて書きたいと思います。

UIデザインをする上でまず必要なことは、
人間の動き、コミュニケーションのやり方を把握すること。
そのためには人間の動きやコミュニケーションを
意識し、観察し、分析し、解析することはとても大切です。
そのために「擬人化」を行うことは確かに意義のあることだと思う。

デザインの目的は、社会生活におけるさまざまな局面において、
人間に「快適性」を提供することだと僕は思う。
UIデザインもその例外ではない。

「擬人化」を突き詰めるあまり、本来の目的を忘れてはいないか。
そんな気がしました。

「擬人化」は人がしていることをそっくりそのまま置き換えることが目的じゃない。
(危険地域での作業など、なかにはそういう目的のものもあるけど)


今回の展示は発想的にはすごく面白いものばかりだった。
ただ発想は面白いけど、それが実際に社会生活のどの場面において、
どのように快適性を提供してくれるのか、という点については
アピールがいまいちだったように僕には感じました。

擬人化の研究が進み、
いろんな場面でバーチャル世界が実現できるようになった。
バーチャルを実現することで手軽にリアルを体験できる、
そんな感じのプロトタイプが目立っていました。
僕自身はバーチャルそのものに快適性はないと思っています。
擬人化の技術に一時は関心はするものの、
リアルでの快適性の追求が乏しいと感じてしまったのか、
どれも担当者に説明を求めるまでの興味に至らず
結局1時間足らずで会場を後にしたのでした。

デザインという言葉は誰でも知っていると思う。
でもデザインは「見た目のかっこよさ」という認識が大半だと思う。
デザインは感性だ、センスがなければできない、と思われている。
まったく的外れではないにしても、それだけでもないはずだ。
短い期間ではあるけれど、デザインに注目し始めて僕はそう思った。

エンジニアリング同様もっと深いものだと思う。
その深さを今後はもっともっと広く広めるべきではないのでしょうか。

デザインは一部のハイセンスな人だけのものではない。
社会生活での快適性、ひいては幸福を願うすべての人々のためのもの。

それを信じて僕はデザインの世界をこれから進んでいきたい。