遊子川のお隣り地区・魚成地区で開催された魚成地域づくりフォーラムで、
遊子川もりあげ帯の事例報告をさせていただきました。
今の仕事をするようになってから、
ちょくちょくこういう講演や事例報告をするようになりました。
もともと話すことはそれほど得意ではなく、
ましてや大勢の人の前で話すなんてもってのほか、という感じだったのですが、
美大でのデザインの学びでプレゼンをする機会が多かったことから、
人前で話す、人に想いを伝える、ということについて、
下手は下手なりに考えるようになりました。
そして地域おこし協力隊になって、
図らずもその学びの成果を実践していくことに。
得意・苦手、上手い・下手はともかく、
伝えたい想いがあれば、人はそれなりに伝える工夫をするもの。
いくつかこなすうちに緊張はするものの、
それなりに話せるようになってきたのかな...
...と思っていた矢先に。
やっちまいました。
気の緩みがあったのかなあ。
まあ、失敗を重ねて人は成長する、
ということで前向きに捉え...
...たいけどやっぱり凹むわあ。
例によって事前に発表資料を念入りに作成し、関係者に確認もしてもらい、
当日も余裕を持って現地に入り、機器確認も念入りに行なったのに。
いざ、発表する段階になって自分のパソコンをケーブルに繋いだら...
フリーズ。
同時に頭もフリーズ。
頭が真っ白になる、とはまさにこういうことなんだな、と。
なんとかパソコンを再起動しながら講演を開始したのですが、
もうグダグダ。
本当はこういう発表がしたかったんだ、という意味も込めて、
発表内容を整理します。
まずはアジェンダ。
まずは自分の身分である「集落応援隊」という職能を説明し、
そして遊子川における地域づくりの母体である遊子川もりあげ隊の活動報告、
次いで、活動のアピールについて話し、
最後に自分なりに思う「地域活性化とは」について話しました。
集落応援隊とは。
総務省の地域おこし協力隊制度によって西予市より採用された限界集落活性化要員。
市長委嘱の特別地方公務員。
任期は三年。
地域づくり能力ではなく、田舎を知らないことによる客観的な視点で田舎を眺め、
田舎の魅力を再発掘する。
それが集落応援隊の役割と言えます。
集落応援隊はあくまで地域づくりをしていくための「きっかけ」であり、
地域づくりをしていくのは地域住民のみなさんです。
もちろん集落応援隊も地域内に居住するので、住民として地域づくりに参加します。
続いて遊子川もりあげ隊とは。
遊子川の全住民で構成される地域づくり組織。
2010年に住民自身により地域づくり計画書を作成、
2011年より活動を開始。
この機に合わせて集落応援隊である自分が遊子川に配置となりました。
もりあげ隊は活動カテゴリで分けられた5つの部で構成されています。
計画書に沿って事業を具体化し、実行していきます。
このうち、企画調整部はこのあとの活動のアピールの項にて説明、
自治活動部は単に窓口業務的な位置づけなので説明は割愛し、
環境部、福祉部、地域振興部の活動について報告します。
まずは環境部の活動について。
まずは地域資源を探します。
雨包山のアジサイ・ヤマアジサイ。
これが夏、咲き誇るさまはとても美しい。
これらの保護、アピールしていくことから環境部の活動はスタート。
そのほか、雨包山の山菜を植物に詳しい先生と一緒に採取して現地で調理するイベントを実施。
地域の魅力を身を持って体験。
続いて耕作放棄地の有効活用。
まずは生い茂っている雑草の除去からスタート。
その後、植樹を行い、イルミネーションを設置。
環境美化からのスタートですが、
これらの耕作放棄地や空き家の状況調査を行い、
U・Iターン受け入れ環境整備につなげていきたい。
水生生物調査。
川の水に住む生物を調べることにより、川のキレイさを知ることができる。
子どもたちと一緒に行なうことで故郷を誇る心を育む。
特産品開発その1。
まずは地域の特産物・トマトを使ってのトマト製品の開発。
久万高原町のトマトジュース向上を視察。
まずはトマトジュースを試作、それを使ったトマト酢を醸成中。
その他トマトうどん、青トマトのアピール。
特産品開発その2。
山間部ならではの木の価値の再認識。
使われなくなった保育所を木工所に整備して活動拠点に。
ゆくゆくは制作物を販売してゆきたい。
続いて福祉部の活動について。
地域の足、デマンドバスの導入の際、地域の高齢者にアンケートを実施して、
地域の状況にマッチした運用形態を検討しました。
その他高齢者訪問や、緊急連絡シートの配布などを行い、
今後は高齢者支援を目的としたよろずやサービスの検討をしていく予定。
地域振興部の活動について。
有事の際の避難場所、避難経路を記した防災マップを各戸配布。
有事の際の避難道路の整備。
地域内の防災組織が協働して実施した防災訓練など。
続いて活動のアピールについて。
こうした地域づくりはただ当事者が黙々と活動していればよいのではなく、
外部へのアピールがあってこそ、生きてくるものです。
活動に対する客観的な判断を仰ぎ、
良いものであれば周囲へ伝搬し、問題があるものならば改善する機会が与えられる。
こうして活動は発展的に継続することができるようになります。
もりあげ隊において、この活動を担うのが企画調整部です。
僕はこの企画調整部の事務局を担当させていただいており、
自分の専門であるデザインを使ってのもりあげ隊のアピールに取り組みました。
まずもりあげ隊のロゴをデザイン。
山と川と雲の峡谷地形をそのまま取り入れました。
住民からのアピールを受け入れるための目安箱(ご意見箱)を地域内二箇所に設置。
もりあげ隊のロゴをあしらった専用封筒。
もりあげ隊からの諸連絡に使います。
スタッフウェア。
活動現場でのアピールに役立ちます。
会報の制作。
もりあげ隊の活動報告。
表紙に遊子川の名景を配して遊子川の魅力をアピールします。
遊子川のポスター。
遊子川のカレンダー。
地域の内外に遊子川をアピール。
盆踊り時に遊子川の昔と今を写した写真の展示。
帰省客へのアピール。
デジタルメディアでのアピール。
重さのない世界だけに、その伝播力は爆発的だけど、
最後にはリアルに帰結するものでなければ意味はない。
最後に、自分なりに思う「地域活性化とは?」
他人任せではなく、一時的なものではなく、同じことの繰り返しで終わるものでなく。
本来、地域づくりとは楽しいものであるべき。
では地域づくりは誰がやるのか。
もちろんその地域に暮らす人々でやるものでだけど。
一人ではなかなか難しいけれど、みんなでやるからできる。
それが組織というもの。
組織の特性を理解し、生かすことが重要。
地域活性化はどうやって行われるべきか。
地域づくりには時間がかかる。
持続的に地域づくりに取り組んでいくには、
悪いところを潰していく問題解決型よりも、小さな魅力を育てていく魅力成長型のほうが良い。
ネガティブよりポジティブ。
地域づくりは地域内だけで行われるものなのか?
人が一人では生きられないように、地域もその地域だけで成り立つものではない。
地域づくりとは周囲との良い関係の構築でもある。
その他徒然に思うこと。
やみくもに大きなことを目指すのではなく、
やみくもに急ぐのではなく、
やみくもに独りよがりになるのではなく、
やみくもに悪い点に執着するのではなく。
魚成の地域づくり組織の会長さんになぜかもりあげ隊は僕が組織したように解釈されてましたが、
それを訂正する機会も逸してしまい。
人に想いを伝えるのって、難しいですね。
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