ワンクリックでは満足しない

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  NHK プロフェッショナル 仕事の流儀:
  第82回 ウェブデザイナー・中村勇吾(2008年4月1日放送)


放送から10日経過してからようやくビデオに撮れていた番組を観ました。

ゲストはyugopこと中村勇吾氏。
Webデザイナーなら知らないものはいない、Webの神様。
これは見逃すわけには行かない...


...と思いつつも10日も観なかったのはなぜだろう。


「なんか気持ちのいいものをつくりたい」

この言葉にはすごく共感しました。
僕もそういうものをつくりたい。


しかし僕にとっての「なんか気持ちのいいもの」の最終形はWebじゃない。
一部ではあるんだろうけど。


...最近はそんな気がしてます。

Webというより、現在のPCの基本構成内で表現されるデザインというものが
僕にはどうも中途半端に思えるのです。
これは良し悪しの問題ではなく、好き嫌いの問題なんだろうけど。

どんなに複雑なプログラムで、
どんなに複雑なロジックを組み、
どんなに複雑なギミックを実現したとしても、
入力はキーボードとマウスのみ、
出力はスピーカーとモニタのみ、といういたってシンプルなインターフェース。
出力は結局ビジュアル的なものにならざるを得ない。

いや、好きですよ、ビジュアルデザインもWebデザインも。

でも目の前のステキなイスにはかなわない。
僕はそう思う。

そのイスに僕は触れることができる。
「触れる」こと以上に高いクオリティの感覚はないと思う。
人間の知覚の大部分を視覚に頼っているとしても。

彼は独学でWebを極めたわけですが、独学のほうが強いと言います。
Webに必要なのは筋の通った1本の系統ではなく、
そのときそのときに敏感に反応するもの、と言ってましたが、
これは今の世の中全般に言えることなのかなって思った。
つまりは経験が大事、ってことなんだろうね。

また、こうも言ってました。
どんな大きな会社で大きな会議室で大人数によるディスカッションも、
自分の頭の中の思考群によるコラボレーションにはかなわない。
これも個性のアピールがより強烈になった現代を象徴しているなって思った。

...こうなるとまた大学で学ぶ意味というものについて考えてしまう。


僕は毎日なにかしらWebサイトを見てますが、その大半は
画像とテキストで構成される静的なものです。
画像とテキストをXHTML+CSSでシンプルにセンスよく配置されていれば
僕はそれで満足なのです。

僕にとってはWebはデザインの中間的な表現手段であり、
最終的に作りたいものはやはり「目の前にあるイス」なんだと思う。


そのためにはまず手を動かさなければならないんだろうけど。

まずは「思考のコラボレーション」だ。
そのために僕は今大学にいる。