夏休み4日目。最終日は日本三景の一つ、天橋立へ。
天橋立は京都府の丹後半島南東部の付け根に位置し、
西側は内海の阿蘇海、東側は宮津湾に挟まれた砂州です。
古代より景勝地として知られ、古くは百人一首に詠まれ、
絵や俳句の題材として多く取り上げられています。
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天橋立 小式部内侍
小雨はれみどりとあけの虹ながる与謝の細江の朝のさざ波 与謝野寛
人おして 回旋橋の ひらく時 くろ雲うごく 天の橋立 与謝野晶子
砂州は見る場所、見る方向によって様々な表情を見せてくれます。
(...帰ってから知ったことですが;;)
北側の成相山からは龍が昇っていくがごとく(昇龍観もしくは斜め一文字)、
南側の文殊山からは龍が飛んでいるがごとく(飛竜観)、
東西からは横一文字に(一字観)。
今回は主に北側の成相山を中心に巡ってきました。
鮒ずしや 彦根の城に 雲かかる 与謝蕪村
夏休み二日目、佐川美術館を後にして現存十二天守の一つ、彦根城へ。
関ヶ原の戦いにおいて徳川四天王の一人として活躍した井伊直政が
その軍功により家康より近江国北東部を賜り、
その居城として彦根城が建てられました。
直政は戦傷が癒えず、築城が実現を待たずに死去してしまいますが、
その子直継の代になった1604年に築城を開始、20年の歳月を経て完成しました。
幕末に大老となった井伊直弼も藩主となるまではこの城で過ごしました。
明治の廃城令とともに解体の危機に遭いますが、
明治天皇が巡幸でこの城を通られた際に保存を命じられたことで破却を免れ、
現在まで往時の姿をよく留めています。
現存十二天守のひとつであり、天守・附櫓・多門櫓が国宝に指定されています。
夏休み二日目は滋賀。
MIHO MUSEUMに続いては琵琶湖湖畔に建つ佐川美術館へ。
2009年の初訪から9年ぶり二度目の訪問。
本美術館は画家・平山郁夫と彫刻家・佐藤忠良と陶芸家・樂吉左衞門の作品を展示するものですが、
今回は開館20週年記念の特別企画展として、田中一村展が開催されていました。
夏休み二日目は滋賀県へ。
守山駅前のホテルを出発、まずは甲賀市にあるミホ・ミュージアムへ。
滋賀県といえば日本一の湖・琵琶湖ですが、
この美術館は琵琶湖からは少し離れた静かな山中にあります。
世界救世教から分立した神慈秀明会の会主・小山美秀子のコレクションを展示するために
1997年にI.M.ペイの設計で建てられました。
美術館の名前は会主の名前「みほこ」に由来しています。
桃源郷をイメージして作られたその美術館は、建物のおよそ8割が地下に埋設されています。
東洋哲学と西洋科学とが融合した桃源郷とはいかなる空間なのであろうか。
神戸で兵庫県立美術館、メリケンパークを訪れた後、一路大阪へ。
お目当ては国立国際美術館で開催中のプーシキン美術館展。
プーシキン美術館はロシアの首都モスクワにあるヨーロッパ最大の美術館であり、
収蔵品数は約10万点でエルミタージュ美術館に次いで世界二位。
本展はその膨大なコレクションの中から、フランス風景画に焦点をあてたものになります。
金曜・土曜の午後5時〜9時のナイトタイムで会場内での写真撮影が可能、
ということで夕方5時に現地に到着して夜の美術館を堪能してきました。
次の目的地は兵庫県立美術館から車で10分のメリケンパークへ。
お目当てはフランク・ゲーリーの日本唯一の芸術作品「フィッシュダンス」。
神戸港開港120年を記念してゲーリーがデザインし、安藤忠雄の監修で1987年に製作された
高さ22mにもなる巨大な鯉のオブジェ。チェーンリンクメッシュで作られています。
日本ではなかなか建たない脱構築主義建築。
それはひとえに「建築は芸術である」という認識の低さなのだろうか。
待ちに待った夏休み。
まず最初に向かったのは神戸市内にある兵庫県立美術館。
大震災からの復興プロジェクトとして計画され、安藤忠雄氏の設計で2002年に開館。
海沿いに建つ美術館の周囲には市立のなぎさ公園が整備され、
ひとつの巨大なランドスケープを形成しています。
愛媛からは松山自動車道、徳島自動車道を経て淡路島を横断して本土に入り、
垂水インターチェンジで阪神高速3号神戸線に入り、摩耶インターまで。
高速降りて5分ほどで美術館に到着。
盆休みということで渋滞を心配してましたが、
阪神高速に入るまではほぼ渋滞なし。
阪神高速は断続的にノロノロ運転でしたが、想像してたよりは流れていてよかった。
それにしてもまあデカイ。
デカすぎて全体を把握するのが難しい。
真夏の昼間ということもあって周囲を一周する気にもなれず、
さらには一部工事をしている箇所もあって、なおさら全体像の把握を難しくしてました。
基本的には細長い長方形ブロックが3つ平行に並んだ構造で、
そんなに複雑な構造ではないはずなのに、いざその内部へ足を踏み入れると、
複雑に入り組んだ空間に戸惑いを感じてしまった。
まあ、面白いといえば面白く、安藤さんも意図的にそういう空間づくりをしたのかな、と。
淡路島散策編。
洲本市から淡路市に向けて車を北上させていると、淡路ワールドパークONOKOROという
遊園地らしき施設の近くに銀色のオームが突如出現!
(「オーム」が分からない方は「オーム ナウシカ」で検索してみてください)
ググってみると、どうやら淡路島唯一の音楽専用ホールらしい。
すごく気になったのだけど、反対車線がすごく混雑しててやむを得ず通過。
その後、本福寺と淡路夢舞台を訪れ、さらに平和観音寺と八浄寺を訪れ、
やっぱりあのオームも間近で見ておきたい、と行ってみることに。
外観を眺めるだけで中に入ることはできませんでしたが、
それはそれはオシャレなミュージックホールでした。
淡路島散策編。
国道28号線を走っていると、世界平和大観音像と同じく目を引いた派手な宝塔。
荒れ果てた平和観音寺を訪れた後、立ち寄ってみました。
淡路島七福神の総本山で大黒天さまを祀ったお寺だとか。
平和観音寺を訪れた後だけにひときわ艶やかさが際立っていました。
淡路島散策編。
洲本城から本福寺に向けて海沿いの国道28号線を車を走らせていると、
突如として現れる巨大な仏像。
淡路島にもこんな巨大な仏像があったんだ...
と、スマホでちょっとググってみるとどうやら「世界平和大観音像」というものらしい。
入場料800円かあ...高いなあ。
...ん?
今は廃業...?
気になって本福寺・淡路夢舞台を見学した後引き返してきてみると。
そこは紛れもなく廃墟と化した空間でした。
淡路夢舞台へ行ってきました。
本福寺水御堂から車で10分。
淡路夢舞台は兵庫県の第三セクターである株式会社夢舞台が運営する複合文化リゾート施設です。
安藤忠雄氏の設計で1999年竣工。
安藤さんのコンクリート哲学がこれでもか、と言わんばかりに詰め込まれた空間ですね。
ホテル、国際会議場、植物園、レストラン、野外劇場などの各施設と、
それら施設間をつなぐ複数の庭園で構成されており、
さらに国営明石海峡公園が併設されており、
...まあバカでかいエリアです。
初めて訪れる身としては、方向感覚がつかめずまるで迷宮の中にいるような気になってしまいました。
まさにコンクリートジャングル。
淡路島の本福寺水御堂(ほんぷくじみずみどう)に行ってきました。
安藤忠雄設計により1991年竣工。
安藤さんお得意のコンクリートに包まれた空間は、
これまでの寺社建築の常識を覆すものでありながら、
古来からの寺社建築の伝統が築き上げてきた雰囲気を妨げない。
淡路島の洲本城を訪れました。
築城は室町時代ですが、明治になって廃城、現在の天守閣は昭和になって建てられた
「模擬天守」だそうですが、模擬天守としては日本最古のものだそうです。
お城にしてはめずらしくピロティがあり、他の城郭とは一風変わった雰囲気を出しています。
立派な石垣も特徴的。
キレイに手入れされている金沢城などとは違って、適度に放置されていることで、
廃墟感、自然との融合感が良い感じが出ていると思います。
入場無料、ということもあって、けっこう人も訪れてました。
若人よ 不純の劫火を消せ
若人よ 不屈の理念を燃やせ
淡路島は南あわじ市の若人の広場公園に行ってきました。
鳴門から大鳴門橋を渡ってすぐのインターチェンジを降りて30分ほどで到着。
以下Wikipediaや南あわじ市ホームページからの情報。
若人の広場公園は戦争の犠牲となった20万人もの学徒を弔い、恒久平和を願う施設として、
丹下健三の設計により1967年に建設されました。
その後30年と経たない1994年に観客数激減のため閉鎖、
さらにその翌年の阪神淡路大震災により被害を受け、10年もの間放置されたため施設は荒れ果てました。
2005年以降、一部修復の動きがあったものの、施設内へは立入禁止のまま。
その後南あわじ市が土地を購入し、当時の様子を極力再現する再整備事業が発足、
2013年に着工し、戦後70年となる2015年に完成、再びの開園となりました。
1967年、竣工式に眼下の海に海上自衛隊の艦船が並ぶことに反発した丹下さんは、
この建築を自身の作品としての発表を行わなかったことから、
永らく世に知られることなく、丹下さんの「幻の傑作」と言われています。
自分がこの公園の存在を知ったのは2013年の瀬戸内国際芸術祭でのイベントで開催された、
香川県立ミュージアムでの展示でした。
さっそく見に行きたいと思ったものの、すでに工事に入っており、
訪問が実現するのに実に3年もの月日を要しました。
優れた建築は設計者がいなくなった後も残り続ける。
そこは3年待つに値した素晴らしい空間でした。
[大鳴門橋記念館『おったまねぎ』]
淡路島に行ってきました。
今回は泊まりなしの弾丸日帰りツアー。
行程は以下の通り。
夜11時過ぎに松山を出発、例によって下道をのんびりドライブ、
四国中央市から徳島に入って三好市→東みよし町→つるぎ町→美馬市→阿波市→板野町を経由して鳴門へ。
鳴門市内の道の駅第九の里物産館に朝4時頃到着、二時間ほど仮眠をとって出発、
大鳴門橋を渡り、淡路島に入ってすぐの淡路島南ICで高速を降りる。
以下の順で10スポットを訪れました。
7:30 大鳴門橋記念館 → 8:00 若人の広場公園 → 9:30 甍公園
→ 10:00 おのころ島神社 → 10:30 洲本城 → 12:00 本福寺
→ 13:00 淡路夢舞台 → 14:00 世界平和観音寺 → 14:30 八浄寺
→ 15:00 しづかホール
出発の直前に台風が連続して訪れていて天気が心配だったのですが、無事通り過ぎて、
雲の多い一日ではあったものの、時折太陽が顔を見せ、ベストショットを撮りやすい1日でした。
京都・東福寺に行ってきました。
二年前に東京のワタリウム美術館での展示を見て以来、訪れてみたかった場所。
「京都最大の伽藍」で紅葉の名所「通天橋」で有名なお寺ですが、
僕の一番のお目当ては重森三玲の「八相の庭」。
東福寺は大きく「通天橋・開山堂エリア」「方丈エリア」「本堂エリア」の3つのエリアに分けられます。
うち本堂エリアだけが無料拝観でき、他の2つはそれぞれ入場料が必要です。
残念ながら粉雪が舞う寒い日での観覧となりましたが、
やはりそこは素晴らしい空間なのでした。
京都・伏見稲荷大社に行ってきました。
全国にある三万社あるお稲荷さんの総本宮がここ、伏見稲荷大社なのです。
そして稲荷信仰の原点である稲荷山があるところでもあります。
京都駅からJR奈良線で5分、稲荷駅の目の前。
無数の鳥居が奉納されている神の山が広がります。
佐川美術館へ行ってきました。
昨年2月末に新日曜美術館で見て以来、
実に1年ぶりにようやく願いが叶ったわけで。
佐川美術館は佐川急便が運営する美術館で1998年に開館。
滋賀県守山駅からバスで25分程のところにあります。
設計・施工は竹中工務店。
画家の平山郁夫氏、彫刻家の佐藤忠良氏の作品を中心に展示してましたが、
2007年に陶芸家の楽吉左右衛門氏の作品を展示する
樂吉左衞門館が新設されました。
常設展は入場料600円(学生料金)で
平山郁夫館、佐藤忠良館、楽吉左右衛門館全てのスペースの閲覧が可能。
楽吉左右衛門館の茶室は別途300円で見学可能。
写真撮影は平山郁夫館、佐藤忠良館、楽吉左右衛門館の展示スペースは
NGですが、パブリックスペースはOK。
1998年にグッドデザイン賞受賞(施設部門)した建物は
楽吉左右衛門館のみならず必見の価値ありです。
シンプルな線で開放感たっぷり。
好きです、こういうの。
お伊勢参り、外宮の次は内宮。
外宮から内宮への移動はバスで15分程度。
外宮と内宮を往復したり、途中の神宮徴古館、神宮美術館へ行くなど
バスを頻繁に利用するならば、千円の1Dayフリーパスを買った方がお得。
残念ながら今回はそれに気付くのが遅かったですが。
深夜バスで寝不足の上に、すごい杉花粉。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみが止まらない。
これも聖地をむやみに写真に撮りすぎた神罰か。
とにかく外宮を見終えた時点ですでにグロッキー。
まずは腹ごしらえから。
お伊勢参りへ行ってきました。
とくに信心深いわけでもなく、
とくに前から行きたかった、というわけでもなく、
急に思い立って。
だから神宮に対する知識もほとんどありませんでした。
伊勢神宮は正式名は単に「神宮」といい、
外宮(豊受大神宮)と内宮(皇大神宮)を中心として
両大神宮の「正宮」、14の「別宮」、43の摂社、24の末社、42の所管社の
全125社の宮社を総称するもの、だそうです。
その広さは、東京ドーム1200個分で伊勢市の1/4〜1/3にもなるとか。
文句なしに日本一巨大な神社。
ちなみに内宮は天照大御神が、外宮は天照大御神の食事を司っていた豊受大御神が祀られています。
初めてのお伊勢参りだし、全部を回る気力も体力もないので、
今回は外宮と内宮を丸1日でざっと一回りすることにしました。
それでもざっと200枚以上の写真を撮ったので、
記事も外宮編と内宮編の2回に分けます。
神宮参拝はまず外宮から詣るのが古来からの習わしだとか。
そのせいか、外宮は伊勢市駅から徒歩5分のアクセスの良さ。
...というわけでまずは外宮編。