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水戸芸術館で開催中の藤森照信展に行ってきました。

2008年の松井龍哉展以来、じつに9年ぶりの水戸芸術館。
磯崎新が手がけたその空間は、相変わらずの存在感でした。
そして本展もそんな存在感溢れる空間に見合う、濃い建築の展示でした。

藤森さんの展示ですが2007年のオペラシティアートギャラリーでの展示以来、
10年ぶり二度目の鑑賞となります。
実際の建築も、ワイルドなその風貌はスマートな都会の街並みに合わないせいか、
地方に多いため、なかなか訪れることが叶わず。
昨年、ようやく神勝寺の中の「松堂」に訪れることができたくらい。


藤森さんの建築は、現在主流になっているモダニズムの延長にあるスマートな弥生式の建築とは
対極にある縄文式建築です。
できるだけ直線から離れ、幾何学から離れ、無機質から離れるオーガニックなものです。
ただ、それはモダニズムを知らないとか、嫌いだとか、批判するといったヘイト要素から
出発するものではなく、元は建築史家という立ち位置から過去の様式を研究し尽くした上で、
現在の延長線上の未来の建築がより良い姿であるように模索したものだと思うのです。


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2016年最後の遠出。

今回は「お寺とミュージアム」をテーマに広島県のお寺二箇所を周りました。

一つは今回紹介する福山市の神勝禅寺、もう一つが生口島の耕三寺です。
共に開基が元々は実業家という異色のお寺であり、
いわゆる一般的な寺社とは一風変わった雰囲気が楽しめる場所ではないでしょうか。


神勝寺は正確には「臨済宗建仁寺派天心山 神勝禪寺」といい、
福山市は海際の閑静な山の中にあります。
本寺は当時常石造船の社長であった神原秀夫氏が益州宗進禅師を勧請開山として、
1965年に建立(宗教法人認可)された、臨済宗建仁寺派の特例地寺院です。

元々あった白隠禅師の禅画・墨跡のコレクションおよそ200点に加え、
2016年9月に名和晃平|SANDWICH設計によるアートパビリオン《洸庭》が新たに作られ、
お寺全体をミュージアムに見立てた「禅と庭のミュージマム」がオープンしました。

もちろん、この《洸庭》が一番の見所ではありますが、
それ以外にも藤原照信設計の寺務所「松堂」など、見どころ満載な空間です。

会場は《洸庭》のある賞心庭エリアと白隠コレクションのある無明院エリアの
大きく二つに分けられますが、本記事ではまず賞心庭エリアを紹介していきます。


村野藤吾と丹下健三

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murano1.jpgmurano2.jpgmurano3.jpg [村野藤吾作品集]


個人美術館の課題で前人の偉大な建築群をリサーチしているわけですが。

あらためて村野藤吾氏と丹下健三氏の建築美を再認識。

両氏とも新建築社から分厚い作品集が出ています。
とてもイイです。
手元にそろえたい一冊ですが、値段がね...

...いつか必ず。


まず村野藤吾。
年代別に1928-1963、1964-1974、1975-1988の三巻構成。
上野毛の図書館には晩年の1975-1988しか置いてなく。
八王子には全巻あるみたいなので今度取り寄せよう。

ネットで検索したところ、装丁が縦縞と横縞の二種類あるんだけど何が違うんだろ?

murano1y.jpgmurano2y.jpgmurano3y.jpg [横縞バージョン]


新しいものは新しいものから生まれるのではなく、
故きを温めて新しきを知る。
建築の正しい評価は時間をかけて行われる。

だから僕はまずはクラシックを学ぶ。


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[ねむの木子ども美術館: Photo by Architecture Potography]


新日曜美術館でねむの木こども美術館を紹介していました。

女優・宮城まり子さんが創設したねむの木学園の障害ある子ども達の
絵を飾るために作った美術館だそうですが、
一目見て設計者は藤森照信氏だな...と思ったらビンゴ。
独特の世界観があるから分かりやすいのかな。


20世紀はエゴ建築、エゴ都市計画の時代だった。
21世紀はエコ建築、エコ都市計画の時代だ。

エコ建築、エコ都市計画に興味を持ち出してからは、
藤森さんの建築にはとても惹かれるものがあります。

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建築史家にして建築家、藤森照信氏の展覧会に行ってきました。
新宿の東京オペラシティ3Fアートギャラリー。

Web Designing6月号の「ツクルヒト」。
そこではじめて藤森さんを知ったわけですが、
そこに掲載されていた「茶室 徹(てつ)」。
満開の桜の中にたたずむ木の上に佇む小屋。
何とも幻想的なその風景に惹かれました。

入場チケットにその見事な風景が採用されています。

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[チケット]

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本展は第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展で開催された同タイトル展の
凱旋帰国展で国内で藤森照信を本格的に紹介した初の展示会だそうです。

最初は建築史家として活動していて、
これまで未来に向けて立てられる建築はたくさんあったが、
過去を顧みるための建築はなかったので自ら作ってみることにして
1991年44歳のときに建築家としてデビューしたんだそうです。
藤森建築は、施工にあたり、藤森さん自身、友人、施主からなる
「縄文建築団」が参加して手作りすることが特徴。


その氏が作る建物は最近の未来志向の無機質な都市型建築とは
明らかに一線を画している。
斬新だけどどこか懐かしく、
目立つけど不思議と周囲の自然風景に馴染んでいる。
とにかくとてもステキな建物なのです。