夏休み三日目は福井県。
東尋坊を後にして、三日目最後は福井県立美術館で開催中のピカソ展へ。
日仏交流160周年、福井県立美術館創立40周年を記念して開催されているもので、
フランス国立図書館が所蔵するピカソの版画コレクションが展示されています。
最も多作な画家であるピカソは絵画・版画・素描・彫刻・陶芸など、
ジャンルを問わず様々な作品を生み出してきましたが、
版画はその中でもとりわけ情熱を注いだジャンルであり、
1899年に着手してから晩年の1970年代初めまで、
70年にわたり2000点近くも制作しています。
ピカソ 偽りの伝説〈上〉
ピカソ 偽りの伝説〈下〉
久々の読書。
世界で一番多作で、多才で、有名な画家の伝記。
その際立つ天才さゆえに、その部分だけがクローズアップされ、
社会の中で神格化されていった。
しかしその素顔は...というのが著者のつけたサブタイトルの意図ではないだろうか。
人間が持つ「能力」と「人間性」は必ずしも比例関係にはない。
むしろある特定の才能に長けたものは、その能力が高ければ高いほど、
人間性にどこか問題があることが一般的には多い。
画家ピカソもその例に漏れず。
彼に関わった人間、とくに女性たちはことごとく天才の刃で傷つけれらた。
女性を虜にする魅力を持っていながら、彼自身は女性を軽蔑していた。
溢れんばかりの生命力を宿しながら、死への恐怖を人一倍深く抱えていた。
溢れんばかりの生命力を負の方向へと向けたなら...
その意味では彼はメフィストフェレスだったのかもしれない。
著者は芸術家ではないジャーナリストであるため、
芸術そのものへの関心や造詣はそれほど深くないけれど、
だからこそ、かの巨匠芸術家を冷静な目で見つめ、客観的な立場で
彼の人生を語ることができたのかもしれない。
一方で彼に関わった女性を傷つけた所業に対して、
同じ女性、という立場で少々厳しい批判的態度を感じなくもない。
いずれにせよ、芸術を社会の中での位置付けを考えていく上では
主観的にも客観的にもちょうどよい塩梅だったのかな。
客観的すぎれば興味が換気されない平易さに陥るし、
主観的すぎればこれまた偏りすぎて社会性に欠けるものになってしまう。
千葉県佐倉市の川村記念美術館に行ってきました。
新しいバイトをはじめて1ヶ月が無事過ぎ、いよいよ初給料日間近。
そして来週には大学4年生のスタート。
毎回休みには貧乏旅行をしていたわけですが、
いよいよそんな悠長なこともしていられない状況になってしまい、
バイト三昧の春休みだったけど。
日帰りでも、近場でもどこか行っておきたい。
ちょうど桜も見頃だし。
候補として、水戸芸術館か川村紀念美術館が頭に浮かぶ。
水戸芸術館は過去に何度か行ったこともあって、磯崎新のタワーが大好き。
また、水戸の偕楽園へも一度は行ってみたいなあ、と。
対する川村記念美術館は千葉は佐倉にある庭園美術館。
前から一度行きたいと思いつつ、未だ行けてなかった。
で、交通費を調べたら...
なんと水戸は佐倉の倍はかかることが発覚。
一も二もなく佐倉に決定。
...水戸って遠いんだな。
かつての会社員時代に通い慣れた総武線で2時間ほどかけて佐倉へ。
佐倉駅からは無料シャトルバスで20分ほど。
佐倉で桜を満喫。
[ピカソ『アヴィニョンの娘たち』](出典:Wikipedia)
中村先生の特講Ⅰの後期テストの第三問。
「キュビスムの特徴を述べよ」
ぱっと見た感じでは画家が何を描こうとしたのかよく分からない絵。
この講義を受けて、画家が描こうとしたものが少しだけ分かった気がします。
[2館共通公式図録 2800円:表側]
11月最後の日曜日。
ピカソ展に行ってきました。
国立新美術館とサントリー美術館をはしご。
まずは国立新美術館。
日曜日なので混雑を予想して閉館2時間前の16時に入場。
まあそのおかげというか、人はやっぱり多かったけど、
予想してたよりは楽に観れました。
そして予想よりも展示が少なかったのか、1時間程度で見終えました。
こちらは会場全体は明るいのですが作品への照明は暗めでした。
(一部影が作品に影響するものはのぞく)
次にミッドタウン内のサントリー美術館。
国立新美術館に比べてこちらは日曜日だというのに人は少なめ。
展示規模はさらに小さくて鑑賞時間は1時間弱。
こちらは逆に会場全体は暗く、作品への照明は明るめでした。
世界一有名な画家、ピカソ。
しかし多才がゆえの多彩な作品ゆえに、
世界一理解が難しい画家でもある。
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大学の「社会と芸術の授業でピカソの《ゲルニカ》について学び、
そのテスト対策で読みました。
授業ではピカソの他、ゴヤやダリ、ロルカなど
スペインの芸術家たちについて学んだけれど、
ヨーロッパの西端に位置するこの国のことを自分は意外と
把握していなかったことに気づいた。
僕が生まれた頃、スペインはまだフランコによる独裁国家だった。
そして第二次世界大戦後に生き残った唯一のファシズム国家だった。
もっともスペインは大戦に参加しなかったから生き残れたわけだけど。
1973年にピカソがついに愛すべき故郷スペインに戻れぬまま死亡、
ついで1975年にフランコが死亡して、
ようやくスペインに王政ながらも民主国家が戻る。
つまりはスペインの民主制は僕よりも年下なわけだ。
スペイン内戦中に工業都市ビルバオを無傷で手に入れるために
フランコ率いる反乱軍は1937年4月、
バスク地方の文化的象徴であるゲルニカを反乱軍と結託したドイツのコンドル軍団に攻撃させる。
ただ見せしめのためだけに。
ゲルニカ爆撃は一般市民をねらった世界初の無差別攻撃であり、
この攻撃を非難するものとして、
ピカソはパリのアトリエで《ゲルニカ》を描きあげた。
パブロ・ピカソ「ガートルード・スタインの肖像」(1905年−1906年)
ニューヨークのメトロポリタン美術館に行ってきました。
本記事では、お気に入りの絵画作品をレポート。
海外の美術館は撮影自由なのが嬉しいのですが、
悲しいかな、MoMAを出た後に地下鉄にカメラ(一眼レフ!)を置き忘れ;;、
予備のコンデジで撮影したのであまり画質がよくありません;;
NYに1週間ほど行ってきました。
美大入学前の予習旅行といったところです。
6つのミュージアムを訪れました。
うち5つが美術館、1つが博物館です。
まずはMoMA(The Museum of Modern Art)。
マンハッタンのミッドタウン53丁目に位置し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。(Wikipediaより)
今回の旅行で一番行きたかった美術館です。
絵よりはデザイン系の展示をメインで見たかったのですが...
6フロアのうち、デザイン系のフロアは3階のみ、
最上階の6階が特別展(誰のかは英語なのでよく分からなかった)、
5,4階が絵、2階は写真、メディアアート、インスタレーションみたいなもの、
1Fはロビー&ミュージアムショップといった感じ。
日本の大きな美術館はたいてい写真撮影禁止ですが、
ここは一部禁止のポイントもありますがほとんどオール撮影OK。
こいつはウレシイ...と気に入った作品をパシャパシャ撮りまくる。
ただしフラッシュは禁止です。
しかし...悲劇は起こってしまった。