合気合宿 【報告編】

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合気道の合宿から戻ってきました。
今の気分は一言でいうと、


  「疲れた」


毎回思うことですが。
合宿はかなり疲れます。
それでも行くことをやめないのはそこで得られるものがあるから。

うちの道場では合気道をまったくの初心者から始める場合
5級から始まり4,3,2....と級を上がってゆき、
初段を取るまでに三年、
そこから弐段を取るまでに二年、
さらにそこから参段を取るまでに三年、
そして四段を取るまでにまた三年かかります。
級や段を1つ上がる都度師範による審査が合宿にて行なわれます。
五段以上は推薦による昇段になり、審査はありません。
飛び級などの処遇がない代わりに、その級、段位に見合う実力が
あることをあらかじめ師範が判断して審査を受けさせるため
不合格というものがありません。受ければ必ず合格です。
週1回の稽古に真面目に出席してさえいればだいたい審査資格は
得られます。つまり合気道を始めて最短で足かけ11年で全ての審査を
終えて四段が与えられます。
ちなみに級は「授与」、四段までは「允可」といいます。
五段以上はまた別の名称なのですがまだもらってないので
覚えていませんw

僕はすでに全ての審査をストレートで終え、すでに四段を取得済み。
それでも合宿に参加する意味があるのか?

...あります。
審査は受審する人だけのものではありません。
審査をする人は師範一人ですが、審査自体は道場生全員で
支え合って行なわれているのです。
審査を受けない人も受審者のために全力を尽くす。
だから疲れる。膝や足は擦り傷だらけになる。
数日は全身筋肉痛で動きがロボティックになる。

でもそこで自分が「確認」できる。
受審者だけでなく、その相手をする人も自分の力量を確認できる。
そしてまだまだ未熟な自分を感じる。
だから常に前に進み続けることができる。
それが生涯武道のいいところなのかもしれません。
全過程の審査が終わってもそれで終わりじゃない。
あとは「自分」で審査しなさい、ということ。
四段になる、ということは自分で審査する資格を与えられるに
過ぎないのです。

必ず合格する審査に意味などない、という人もいる。
審査の必要がなくなった人間が合宿に参加する意味などない、
という人もいる。
でもそれを言ってしまうとそこで終わってしまいます。
残念ながらそう言って終わってしまった人もいます。

合気道は試合もないし、金メダルもない。
ゴールの見えにくい武道だと思う。
でもだからこそ各人に合った楽しみ方ができる。
その「過程」を楽しむことができる。


「目に見えないところに本当にたいせつなものはある」


『星の王子様』でかたられるこの真実に一番近い武道だと思う。
そういう楽しみ方もあるってこと。


人生は長く、いろいろな楽しみ方がある。