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2009年5月 6日

5つの波【ジャック・アタリ】

その他

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  ジャック・アタリ緊急インタビュー 第2回「世界を襲う5つの波」
  インタビュアー: NHKヨーロッパ総局長 長崎泰裕


NHKでジャック・アタリ氏のインタビューを偶然見ました。

ジャック・アタリ。
長年フランス大統領の顧問を務めた経済学者、そして歴史家。

経済に疎い僕には当然はじめて耳にする名前。


彼によれば、
アメリカにはじまった世界的な金融危機はこれから人類に押し寄せる
5つの大きな波のうちの最初1つに過ぎないのだとか。


僕はこれまで二度、世界的な不況をラッキーに乗り切っている。

まず最初は1990年初頭のバブル経済の破綻。
破綻寸前のバブル絶頂期に高専を卒業し、大手メーカーへ難なく就職。
バブル破綻後の厳しい状況を大手企業の牙城に守られて
危機感を感じることなく安穏と乗り切る。

そして二度目は現在の金融危機。
経済状況は会社員時代と比べて厳しいとはいえ、
大学生、という大義名分で仕事への直面を避けており、
この金融危機の状況を直に感じることはない。

ただ運がいいだけなのか。
それとも機を見る直感が鋭いのか。
自分としては後者であることを信じたいし、
この時期に学生をしていることはけして間違いではないと思う。

来たるべく(もうすでに来ている)厳しい状況に対して
真実を見据え、自分がどういう行動を選択をすればいいのか、
じっくり考えることが今の僕には必要だ。


この番組を目にしたのも偶然であって偶然ではない。
セレンディピティという自分の能力の1つなのだ。

...そう思うことで僕は強くなれる。



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第1の波は「アメリカ支配の崩壊」。
今回の金融危機ですでに来ている波。
アメリカは世界から撤退する。

第2の波は「多極型秩序」。
アメリカというリーダー亡き後はそれに変わる超大国1つが取って代わるのではなく、
さまざまなパワーネイションが複合的に支配しようとする動き。
現在はこの第2の波への移行期だとアタリ氏は言う。

第2の波は国際協調、政府間協調が主となるが、
グローバルな市場原理に勝ることはなく、失敗に終わる。


第3の波は「超帝国」。2040年頃にはじまると予測。
一国支配による帝国ではなく、市場そのものが1つの帝国となる。
国際協調による地球政府なるものが現れ始めているが、長続きせず、
強力な市場原理が台頭する時代。

教育、保険、社会保障、警察、そして軍までも、あらゆるものが民営化される。
この時代は「エンターテインメント」と「保険」という2つのものに支配される。
エンターテインメントは諸問題から人々の目を反らすために、
保険はリスクから守るために非常に強力となる。

あらゆるものを監視するようになり、監視の対象は「物」から「人」へとシフトする。
物の監視は有益であるが、個人への監視は行き過ぎた監視であり、問題である。


続いて第4の波は「超紛争」。
今よりも無秩序となり、エネルギー不足、気候変動による環境の不安定により
やがて戦争へと発展する。武器開発の発展。
市場はコントロールできず、無法状態。
アタリ氏はこの波は長くは続かないと予想しますが、最悪の状況であり、
避けるべき波であるとします。


最後が第5の波で「超民主主義」。2060年頃起きると予測。
この状態がアタリ氏が一番理想とする状況であり、第4の波と置き換えるべき波である。

かつて人間は狩猟民族から農耕民族へ、放浪から定住へとそのライフスタイルを変えた。
しかし今人類は再びノマド(遊牧民)へと逆行しつつある。

携帯の普及、国家主体から個人主体へとすでに今、その傾向ははじまりつつある。
アタリ氏はノマドを3つのカテゴリに分類。

まず「超ノマド」。
世界中を自分の意志により自由に飛び回れる人々。
いわゆる金持ちの人々で、数は少なく1千万から5千万人程度。

次が「下層ノマド」。
紛争や貧困などにより生き延びるためにやむなく移動を繰り返す人々。
現在30億人ほどで、将来は55億人にも増えるとアタリ氏は予測しています。

3つ目が「バーチャルノマド」。
超ノマドほど自由に移動はしないけれど、メディアの発達により、
人々は世界中を「情報」により移動できる。
現在の日本の大多数はここに属します。

超帝国では一部の超ノマドと大多数の下層ノマドの二極化が進む。
金持ちはより金持ちへ、貧しい者はとことん貧しく、その中間はなくなり、
やがては超紛争へと発展する。

その危機を避けるのに必要なのが「利他主義」という考えであり、
超民主主義を実現するものである。

要は博愛主義であり、別段新しいことでもない。
古くからある正しい真理だけれど、どこか曖昧な部分でもあった。

人間は他人の役に立つことで幸せを感じる。
これは今も昔も変わらない人間の心理(真理)である。
本来、資本主義もこの真理に根ざしたものであったはず。

それがいつの間にか幸せの対極にある嫉妬、猜疑という感情が
人を争わせるようになった。
競うこと自体は悪いことではないけれど、度が過ぎると、
本質を見失ってしまう。

一番、という順位が重要なのではない。
順位など時の運であり、移り変わってゆくもの。
大事なのは競うことで培われる向上心であり、成長するプロセスである。
そしてみんなが幸せになることが一番重要なのだ。
多種多様な個がある以上それは理想論でしかないのかもしれないけど。

それでも社会にはすでにみんなが幸せになるものを生みだす人々がいる。
それをアタリ氏は「トランス・ヒューマン」と呼びます。

利他主義が人類の幸せに繋がることについて、人々は

  「頭では分かっているよ、でも実際はそんな簡単な話じゃない」

と言うでしょう。実際僕もそう感じる。

トランス・ヒューマンとそうでない人の差は天と地ほどの溝があるのか、
というと僕はそうではないと、今は思う。

結局は1つ1つのものの捉え方の集積が大きな差となって現れているだけ。

分かっているだけじゃなく、信じなきゃ。

他人のためにすること全てが、すぐに幸せを感じられるわけじゃない。
むしろその逆で「正直者は馬鹿を見る」的な体験をすることがほとんどかもしれない。
それでも捉え方をちょっと変えれば幸不幸は簡単に逆転する。

同じ事柄でもポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか。
それでその人の幸不幸は大きく変わる。


現在アタリ氏はアフリカの低所得層を対象にして、
「マイクロファイナンス」という経済活動を展開しています。

通常銀行では担保や貯蓄がなければ融資はしてくれません。
しかしマイクロファイナンスではビジネスプランに収益性があると判断すれば、
無担保でも融資します。
利子は13%程度だそうですが返済が滞ることはほとんどないとか。

正直これまでの銀行との差異がぼくにはよく分かりません。

しかし、「利他主義」という本質を想い出すことで世界を良い方向へと
変えられると、信じたいと思います。

全ての人が、そう思えば、全ての人がトランス・ヒューマンになれば、
実際は世界はもっと良くなる。


人は歳をとると、身体は老化していく一方で、
精神は子どもへと逆行していく気がします。

農耕民族となった人間が再びノマドとなろうとしていることは、
人類そのものが老化していることなのだろうか。


「人類の死」は近いのか?


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