2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?  【西村博之】

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巨大掲示板「2ちゃんねる」管理人、
ひろゆき氏による「インターネット裏入門書」。

バイト先の本棚で見つけて、バイトの空き時間で読み始めました。
けっこう面白くて、一気に1/3まで読んだところで空き時間が終わり。

その後続きを読むべく図書館で予約したのですが、
かなり人気本らしく10人以上の待ちで2ヶ月くらい経ってようやく手元に。


でやっと全部読み通したわけですが。
確かに前半は面白い。
しかし後半はつまんなかった。


オプティミズムとペシミズム。
...たぶん考え方の違いによるものなんでしょう。

僕は2ちゃんねるユーザーではありません。
あの雰囲気がどうも好きになれない。
だからほとんど利用しない。

だからといって2ちゃんねるを悪者にする気もないし、
それは単に好みの問題で、選択の問題なのです。

インターネットは巨大だから他に有効な情報を得る手段はいくらでもある。
それでも2ちゃんねるを利用する人はいまだにたくさんいる。
だから2ちゃんねるは存在し続ける。

あれだけ巨大な掲示板になると
それは一種のインターネットの縮図で、インターネットを可視化したものになる。
それが2ちゃんねるの存在理由なのだと思う。
だからインターネットがなくならない限り、2ちゃんねるもなくならない。

インターネットの小さな縮図だから良質な情報もあれば、悪質な情報もある。
悪質な情報面というものは目立ちやすく、それを嫌う人は多い。
たぶん僕もそんな側面を嫌っているのかもしれない。


本書を読んで、ひろゆき氏は本当に頭のキレル人だと思いました。
豊富な知識で視野も広い。

...しかし人に好意をもたれるような人じゃないな、と。
いわゆるカリスマ性のある人ではない。
でも別に本人もそれを望んではいないんでしょう。

言ってることは確かに正しい。説得力もある。
しかしそれを受けとめることを反発させてしまう雰囲気がある。

僕は自分をリアリストだと思ってますが、
ひろゆき氏と比べるとまだまだロマンチストだって思ってしまう。
梅田望夫氏がオプティミズムなら、ひろゆき氏はペシミズム。

「インターネットってみんなが言うほど希望のあるものなの?」

梅田氏のWeb進化論が理想論だって僕も思う。
ペシミズムの人はたぶん現実の問題を直視しようとしない、という点で
オプティミズムを非難するのでしょう。

でも僕はやっぱりオプティミズムのほうがいい。
オプティミズムはけして現実逃避なんじゃなく、現実を踏まえた上で、
それでも人間の性善説を信じて希望を持つことだと思う。

ペシミズムの人たちはどうやら夢や理想を語るのはカッコ悪い、と思うらしい。
僕も心のどこかでそう思う節はある。
でもやっぱり夢や理想がないと僕は前に進めない。
夢や理想は語らないと形にならない。
だからオプティミズムでいたいと思う。


ひろゆき氏は2ちゃんねるという大きな結果を出しているわけだから、
ペシミズムもあながち悪い、というわけでもない。
...というよりむしろ大きな結果を出せていない自分や
語るだけで本人自身はなにもサービスを生み出していない梅田氏のほうが
オプティミズムに対する説得力はないのかもしれない。


それでも僕はオプティミズムを信じる。
ペシミズムでは目の前の問題や課題を即効的に片付けるには
いいのかもしれないけど、長い目で見れば大局を左右するのは
夢や理想に対して具体像があるオプティミズムだと思うのです。


夢や理想は語らないと形にならないけど、
ただ語るだけでも形にならない。

...やっぱり行動しないと。
僕の一番の問題はそこなんだよな。