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2012年8月27日

複(副)業型自伐林家のススメ

地域おこし活動

tosanomori_andohouse.jpg


高知県いの町に林業の現場を見学しに行ってきました。

ECPR(えひめ地域政策研究センター)主催の地域づくり人養成講座の全6回のうちの1回で、
僕はこの講座の受講生ではないのですが、僕が木工で地域づくりに取り組んでいることを
知っているECPRの担当者から誘っていただき、参加させてもらいました。
つくづく自分がやりたいことをアピールしておくことの大切さ、
縁を大事にすることの大切さを感じます。


林業の現場といっても、現在の日本の林業の主流ではなく、
これからの林業の新しいカタチを提唱している林業のベンチャー的なNPOの取り組みを
紹介していただきました。

日本の国土の7割が森林であるにもかかわらず、木材の自給率は3割程度。
この事実だけでも日本の林業に元気がなく、正常な状態といえないことが分かりますが、
今回の講座で、いかに日本の林業界がいびつな構造になっているかを知ることができました。

僕自身はモノづくりで身を立てたい、と思っていますが、
自分がつくろうとしているものの原材料がどのようにしてできあがっているかを知ることは、
より良いものを創るために欠かせないことだと思うのです。
そしてその追求をするために自分は田舎に来た。

良い木工品を創るには良い木が必要で、
良い木を得るには、良い森づくりが必要である。


森づくりを意識し、実践することが、良い木工製品を作るための出発点のような気がします。




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tosanomori_forest.jpg

今回の講座の講師はNPO土佐の森救援隊事務局長の中嶋健造氏。
「土佐の森方式」と呼ばれる自伐林業スタイルの普及に尽力されておられます。

午前中に座学で基礎知識を学んだ後に現場を見る予定でしたが、
雨が降りそう、ということで急遽予定を変更して、最初に現場を見ることに。


地元で土佐の森方式を実践している自伐林家さんの山にお邪魔しました。

tosanomori_forestwatcher.jpg


木を伐採して、伐採木を林道に引き上げる現場を見学。

tosanomori_carryer.jpg

立木にワイヤーを巻き付けて軽架線をこしらえて材木を林道まで引き上げます。
この木を引き上げるワイヤー一式は軽架線キットとして20万円ほどで販売してるそうです。


引き上げには林内作業車のウインチを使います。

tosanomori_woodworker.jpg

「林業は誰でも簡単にはじめられる」というのが土佐の森方式。
確かに現場で作業されている方は定年を越えた高齢者の人たち。


チェーンソー体験の森ガール。

tosanomori_woodgirl.jpg

まあ、倒木だったら遊子川でもできるし。
やっぱり立木伐採のノウハウを習いたいなあ。
土佐の森では林業のイロハをレクチャーしてくれるボランティアもやってるそうですが、
受けてみようかなあ...


さて、ひとしきり現場を見学させたもらった後、
自伐林家さんが伐採した木で建てたというウッドハウスで中嶋さんによる講義。

tosanomori_nakajima.jpg

「林業は林業のプロにしかできない」
この意識が林業界をいびつな構造にしている最大の要因。
林業には素人な自分からすれば、
確かに林業は専門の技術を持った人が、専門の機械を使ってやる特殊な業界、
という意識がどこかにありました。

しかし、農業が大規模専門農家から、
自分が食べるぶんだけ栽培する趣味農業まで裾野が広がっているように、
林業も一部のプロから気軽に副業として取り組めるレベルまで裾野が広がるような、
産業構造であるべき、と中嶋さんは言います。

確かに一理ある。
が、農業が農協のように出荷したものを買い取る機関があるのに対し、
林業にはそのような機関が圧倒的に少ない。
誰もが気軽に売りに行ける原木市場というものはなかなか。
A材やB材などの建築用材はあるかもしれないけど、
そのような材を集めるのは素人ではなかなか。

土佐の森では林地残材であるC材をバイオマスの燃料として地域通貨と組み合わせて
適正価格で買取る仕組みを構築し、「C材で晩酌を!」プロジェクトを展開したところ、
これが大当たり。自伐林家の可能性を世に知らしめました。

しかしそれでもまだまだそのようなC材受入は少ない。
愛媛ではほとんどなく、県内では唯一内子だけが土佐の森方式の受け入れを前向きに
検討しはじめたそうです。

しかし農協ですら農業の停滞を食い止められない現在、
国政レベルでのシステム構築を待つより、自分たちで市場開拓をしていくことが
求められる時代なのかもしれません。

僕が遊子川で木工を開始するにあたって心配となる部分は、
加工設備よりもどうやって原材を集めてくるか、という点だと思っています。
今は公民館主事さんに手伝ってもらっていますが、あくまで初動段階での暫定措置であり、
木の収集方法について何らかの適切な方法を確立しなければならない。
その想いがこの講座に参加した一番の動機です。

林業で食っていく、というわけではないけれど、
今後の自分の活動に林業の基礎知識、スキルが必要、ということをあらためて感じました。
今すぐ答えはなかなか出てこないけど、
継続して林業もしくは森林管理をもっと勉強していきたいと思います。


山の麓にある製材所のそばに積み上げられた材木ピラミッド。

tosanomori_woodpylamid.jpg

いいなあ、こういう遊び心。


土佐の森事務所そばの木の彫刻。

tosanomori_sculpture.jpg


最後に薪ボイラーを使っている道の駅の温泉施設を見学。

tosanomori_makiboiler.jpg

木質バイオマスといえば普通ペレットを思い浮かべるのだけど、
原木から抽出する場合は薪のほうがエネルギー的にも経済的にも効率が良いそうです。
ペレットで失敗しているところはこの認識の甘さが起因しているようです。

どんなに科学が進んでも、結局は原始に戻ってゆく。
そんな気がしてなりません。


自伐林家というと、高性能大規模林業に比べると遅れているようなイメージがあるけれど、
林業先進国ドイツでは大半が自伐林家だそうです。
高性能の機械を使うことが先進的なんじゃない。
適正な人材が適切な道具を使って適度のスケールで実施されること。
それがあるべき産業の姿ではないでしょうか。



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ブログを書いている人

檜垣忠雄(ひがきただお)
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広島県出身、呉工業高等専門学校電気工学科卒、ソニー株式会社でエンジニアとして14年間勤務、 その後多摩美術大学造形表現学部(上野毛キャンパス)デザイン学科に入学。 空間デザインを中心に学び、自然の一員としての人間の感覚や「ものをつくる」という人間の豊かさに気づく。 卒業後、愛媛県西予市地域おこし協力隊に着任。城川町遊子川地区の地域活性化活動に携わっています。 将来はデザインを活用した木工作家を目指します!

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