原研哉ディレクションのSENSEWAREに行ってきました。
去年に引き続き、と思いきや前回行ったのは2007年だった。
去年も開催されたのだろうか。
全くノーマークだった。
2007年の会場は表参道のスパイラル。
今年は六本木ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHT。
今年も入場無料。
21_21にしては特例的なイベントといえます。
SENSEWARE...「感覚をまとう繊維」。
なんとも素敵な響きじゃないですか。
[各作品ごとに配布されているパンフレット]
予想に反して前回と同じ展示はほとんどなかった。
技術の進歩はめざましい、ということでしょうか。
前回の展示が未来の夢を語るようなものであったのに対し、
今回の展示は近い将来実現しそうな、よりリアル感のあるものになっていたような気がします。
今回の参加企業、アーティスト、デザイナーも実力派が勢揃い。
繊維提供企業: ユニチカ、東レ、旭化成、東洋紡、三菱レイヨン、クラレ、帝人など
参加企業: 日産自動車、パナソニックデザインセンターなど
アーティスト:
東信、鈴木康広、津村耕佑、隈研吾、青木淳、佐藤可士和、坂茂、nendo、
ロス・ラブグローヴ、グエナエル・ニコラなど
今年はソニー、ホンダは参加せず。
代わりに日産が参加してますね。
今回の展示中で一番気に入ったのが、
ユニチカの「テラマック」という素材を使ってフラワーアーティスト東信が表現した「苔時間」。
人工に創られたものは簡単には自然には還らない。
それが人工物の欠点であり宿命であった。
このテラマックという人工繊維は分解して土に還るという。
人間の叡智はエゴを越えられる。
ほかには東レの「トレカ」を使った青木淳の「THIN BEAM」、
三菱レイヨンの「エスカ」を使った隈研吾の「CON/FIBER」といった建築作品も面白かった。
やはり建築分野に目が行ってしまうのだろうか。
超軽量強化繊維による長いキャンティレバー、
光ファイバーを埋め込むことで実現される光を透過するコンクリート。
これらの素材で建築はどのような可能性が切り拓けるのか。
これらの作品はその可能性を可視化してくれる。
あっさり見終えたような気がするけれど、
こうして整理してみると、いろいろ感じること、得ることがあったんだな。