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2017年8月 1日

培広庵コレクション「美人画」は語る【愛媛県美術館】

アート/ 展示・イベント

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愛媛県美術館で開催中の培広庵コレクション展に行ってきました。

本展は培広庵コレクション75点に、
地元八幡浜出身の閨秀画家、河崎蘭香の作品15点を加えた全90点の美人画展です。

これだけの規模の美人画展を見るのははじめてです。
正直なところ、
美術館に行きだした当初は日本画、特に美人画はあまり好きなジャンルではありませんでした。
写実的で立体的・三次元的の西洋画のほうがはるかに魅力的に見えていたのですが、
最近では二次元の美人画も悪くはないな、と思えるようになってきました。

それが加齢による趣味の変化なのか、
たくさんの絵を見ることで良い絵に出会える確率が上がってきたのか。
たぶんその両方なのでしょう。

浮世絵の延長線上にあるようなデフォルメされた二次元の絵は、
ある意味現代アニメの原点のような気がします。
直接的なエロスを表現する、というよりは「仕草」で女性らしさを表現する。
そこに日本独自の美しさがあるのではないでしょうか。

それにしても謎多きコレクター、培広庵。
ネットで検索すると、コレクションの企画展の情報はたくさん出てくるのですが、
コレクター自身の情報はほとんど見つからない。
培広庵の読み方すら分からない。
(単純に音読みすれば「ばいこうあん」なんでしょうが)

彼のコレクションを常設展示する美術館はなく、普段は彼の自邸に置いてあるみたいですね。
(会場に自邸の写真が展示してありました)



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今回は入口そばのガラス壁面に大々的に広告ディスプレイしてました。

一番の目玉、上村松園。

上村松園「桜狩の図」(昭和10年)
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全体図
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※出典:http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/2015/10/post-59.html

会場入ってすぐ、一番最初に展示してあったのですが、存在感がハンパない。
松園の作品は残念ながらこの一枚だけでした。

売店では、シルクスクリーン作品が販売してました。

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こちらは撮影OKだったんですが、映り込みはいかんともしがたい。
しかしシルクスクリーンでもけっこうなお値段。


北野恒富「舞妓」(昭和前期)
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全体図
sagawa_tsunetomi.jpg
※出典:http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/2015/10/post-59.html

会場内では同じ構図でもう一枚少しピントがぼやけたバージョンも展示してあって、
その対比が面白かった。


山川秀峰「安倍野」(昭和3年)
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「妖気」が独特の存在感を放っていますが、その中でも一際惹きつけられたのが、
この赤い着物を着たこの女性。

山川秀峰「花簪の女」(大正末期)
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※出典:Wikipedia


河崎蘭香「美人観桜迺図」(大正5年)
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池田輝方「御代参詣」(大正初期)
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鏑木清方「翠影」(大正6年頃)
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※出典:http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/2015/10/post-59.html

やや面長の顔が特徴的。


自分の一番のお気に入りはやはり伊藤小坡。

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[左:秋の夜(大正後期)、右:観楓美人の図(大正前期)]※出典:本展図録

新居浜美術館ではじめて見て以来、すっかりファンです。


その他気に入った作品としては、
勝田哲「黒髪」、小早川清「名妓市丸」、横尾芳月「立茶手前」など。

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[左:横尾芳月「立茶手前」(昭和初期)、右:小早川清「名妓市丸」(昭和8年)]※出典:本展図録

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[勝田哲「黒髪」(昭和14年)]※出典:本展図録

いずれも黒い着物が凛々しい。


図録。税抜き2000円也。
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展示作品そのものには大いに満足しているのだけど、少々不満なのがこの図録。

実際の展示の章立てと、図録の章立てが異なっており、
実際の展示品と図録とを見比べしづらい。
まあ、この展示専用のものではないからなんだろうけど。
まあ、それでも買ったけど。

河崎蘭香は培広庵コレクションではないので、別に専用図録(税抜き600円)があって、
本図録とセットで買うと税込み2800円でポストカード付き。
自分はそれほど蘭香の作品に惹かれなかったので、培広庵コレクションの図録のみ買いました。

ネットでの情報の少なさからみても、
西洋画に比べて美人画ってまだまだマイナーな気がしますが、
本展を機にもっともっと美人画がメジャーになってくれればいいなあって思います。


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