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2010年9月12日

えんぴつで奥の細道

読書

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月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人也。船の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいずれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂白の思ひやまず...


自由が丘によく行く。

でも、いわゆる「オシャレなお店」の類にはいっさい行かない。

僕が行くのはたまの外食の松屋、吉野家とか、あとは古本屋。

うち一件はブックオフで、もう一件がいわゆる本当の古本屋。

冊数ではブックオフには及ばないけど、デザインやアート、建築関係の古本が
けっこう充実していて、よく足を運ぶ。


その古本屋で見つけた一冊。


人はなぜ、旅に出るのだろう。
なぜ、旅に出たがるのだろう。

旅から戻ってはじめて、いつもいた場所の大切さを知る。



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平泉は中尊寺の芭蕉像


本書は芭蕉の『奥の細道』を筆写するテキスト書。

今からおよそ300年以上も前、
俳人の松尾芭蕉が東京の深川から東北は奥州平泉を経由して北陸を巡り、
岐阜の大垣に到るまでのおよそ150日間の旅の記録。

今みたいに電車も自動車も飛行機もない時代。
道路も整備されてなく、
2400キロにわたる旅程を走破するのは並大抵のことではなかっただろう。

当時と違って道は整備され、最新のテクノロジーを装備した乗り物で
どこにでも、どんな遠くへも行けるようになった現代。
メディアも発達して、山ほどの旅行記が世に出た。
しかし芭蕉のような旅行記を書ける旅人はもうどこにもいない。

人はテクノロジーと引き替えに何を失ったのだろうか。


古の俳人の言葉をなぞるなんて、なんか写経みたいで、
哲学的でもあり、厳粛で神聖な行為に思えてなぜか心惹かれた。
300円という安さもあって購入した。


一番効果的な学習法法はただ見て聞くだけでなく、その内容を書き留めることだ。
だから学生はノートをとる。書いて覚える。


言葉で旅をすることだってできる。
見知らぬ土地に思いを馳せる。
それが人間の叡智でもある。
実際に旅をする人だけが旅人なのではない。


中古本だけど、筆写は最初の1ページしかされてなかった。
だけどこの物語は冒頭が一番有名で肝心な部分でもあるから、
丁寧に消しゴムで消した。


さあ、いざ東北~北陸の旅路へ。


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