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2018年11月15日

フィリップス・コレクション展【三菱一号館美術館】

アート/ 展示・イベント

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久々の東京出張。
帰りの飛行機までの時間を利用して、久々のお江戸での美術鑑賞。


東京都美術館でのムンク展に続いて、
三菱一号館美術館で開催中のフィリップス・コレクション展へ。


フィリップス・コレクションは裕福な実業家の家に生まれた
ダンカン・フィリップスが蒐集した美術作品群です。
1918年に法人化し、1921年にこれらのコレクションを展示する場として、
ワシントンDCにフィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを開館しました。
これはMoMAの開館よりも8年も早く、アメリカで最初に開館した近代美術館とされています。

ダンカン・フィリップスは1966年に亡くなりましたが、
その精神はフィリップス・コレクションに受け継がれ、
現在、同コレクション所蔵品数は4,000点以上にもなります。

本展はこの世界有数の近代美術コレクションの中から、
アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、
クールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象派以降の絵画を牽引した
セザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックらの秀作75点を展覧するものです。



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丸の内という場所柄、ビジネスマンの憩いの場として賑わってます。

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三菱一号館美術館は展覧会ポスターがセンス良くて好きです。

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会場内は原則撮影禁止ですが、一部複製作品を撮影できるコーナーがあります。

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[ウジェーヌ・ドラクロワ「海からあがる馬」(1860年)]

一頭の馬に跨がりながら二頭の馬を操るたくましい男の姿。
ドラクロワの絵にはダイナミックなエネルギーをいつも感じる。


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[ピエール・ボナール「犬を抱く女」(1922年)]

これまであまり見たことのないボナール。
国立新美術館で開催中のボナール展も見たかったなあ。


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[ハインリヒ・カンペンドンク「村の大通り」(1919年頃)]

カラフルな田舎の風景。
どこかフランツ・マルクの絵と雰囲気似てるなあ...
と思ったら青騎士のメンバーだったんですね。


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[フランツ・マルク「森の中の鹿 Ⅰ」(1913年)]

青騎士の代表的メンバー。
鹿もいいけど、やっぱりフランツ・マルクは青い馬が見たい。


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[ジョルジュ・ブラック「鳥」(1956年)]

本展で一番多かったのがブラックの作品でした。
が、自分的にはあまり響かなかったなあ...


その他お気に入りの作品をpinterestから。


[ジャン・シメオン・シャルダン「プラムを持った鉢と桃、水差し(1728年頃)]

セザンヌの静物画と比較したら面白いだろうなあ...
本展でもセザンヌの作品はありましたが、自画像と風景画のみで残念ながら静物画はなく。



[ドミニク・アングル「水浴の女(小)」(1826年)]

解剖学的な正確さの表現よりもあくまでも美しく見えることにこだわったアングル。
この絵はいくつかバージョンがあるみたいですね。



[エドゥアール・マネ「スペイン舞踊(1862年)]

印象派の先駆け、マネ。
本作も実際の光景ではなく、モチーフを再構成して描きあげているという。
「草上の昼食」への布石が垣間見える。



[ギュスターヴ・クールベ「地中海」(1857年)]

茫漠たる広大な海。
いつの世も海原は人を惹きつける。



[フィンセント・ファン・ゴッホ「アルルの公園の入り口」(1888年)]

芸術家たちの共同体を夢見てゴーギャンの到着を待つゴッホ。
その先に悲劇が待っているとはつゆ知らず。



[ポール・ゴーガン「ハム」(1889年)]

お世辞にも美味しそうには見えないハム。
ゴーギャンはこの絵で何を表現しようとしたのだろうか。



[ベルト・モリゾ「二人の少女」(1894年)]

印象派で唯一の女性画家らしく、
お洒落でありながら温かみも感じさせるところが好き。



[エドガー・ドガ「稽古する踊り子」(1880年はじめー1900年頃)]

何度もポーズを修正した跡が見えるところにドガのこだわりが見える。
一流の画家にかかれば失敗すらも画風になるのがスゴイ。



[エドガー・ドガ「リハーサル室での踊りの稽古」(1870−72年頃)]

練習に打ち込む踊り子たち。
熱気に満ちているはずなのに、どこかひんやりとした空気が流れているように見えるのは
当時踊り子たちが富裕層の欲望の対象だったことのドガの冷ややかな心情からだろうか。



[アンリ・ルソー「ノートル・ダム」(1909年)]

ルソー晩年の作品。
想像力で世界を旅した画家が長年自分が働いた町を振り返る。
郷愁をシュールな画風で表現するところが好き。



[アメデオ・モディリアーニ「エレナ・パヴォロスキー」(1917年)]

モディリアーニといえば、瞳のない魂の抜けたような表情が特徴的なんだけど、
この絵はうっすらながらも瞳のある表情が珍しくて気になった。
画家はどのような想いでこの絵を描いたのだろうか。



[ジョルジュ・ルオー「ヴェルレーヌ」(1939年頃)]

敬虔な宗教画家が破滅的な詩人を崇拝していたのが意外だった。
ランボーと出会うことで妻を裏切り、破滅的な人生を歩む詩人をマリアが見守っている。



[オスカー・ココシュカ「ロッテ・フランツォスの肖像」(1909年)]

表情からは幸薄そうな感じがするのだけど、
装飾美術出身らしく全体的には華やかな雰囲気を醸し出しているのがシュール。


彫刻作品も充実。


[パブロ・ピカソ「道化師」(1905年)]

道化の画家が道化師を生真面目に表現する。
そこがシニカルでシュール。



[アルベルト・ジャコメッティ「モニュメンタルな頭部」(1960年)]

荒々しいタッチの顔は立体の印象派という感じ。
周囲の空気に押しつぶされてできたような面長の顔が独特な雰囲気を醸し出す。



[ヘンリー・ムーア「ファミリー・グループ(1946年)]

仲睦まじい家族像。
父親の身体に穴が空いているのは暖かさの中にもある空虚心ではなく、
あくまで腕を分かりやすく表現するため、と思いたい。


本展には関係ないですが、中庭にはエミリオ・グレコの彫刻が。

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[エミリオ・グレコ「うずくまる女 No.3」(1971年)]


それにしてもこの美術館は空間が素晴らしい。

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決して広くはないのだけど、くつろいで見ていられる。


図録。2500円なり。

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訪問日: 2018年10月30日(火)午前


【Information】オフィシャルサイト




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