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2012年2月27日

日本初の写実絵画専門美術館・ホキ美術館【日建設計|千葉県千葉市】

建築デザイン/ アート

hoki_entrance.jpg


美術館巡り二つ目。

千葉市にあるホキ美術館。

日本初の写実絵画専門の美術館。
写実絵画も嫌いではないけれど、それ以上に僕をこの美術館へ惹きつけるものは美術館自身。

第7回日本建築大賞を受賞。
建築家個人による設計ではなく、組織系設計事務所・日建設計による設計。

弧を描くように湾曲した箱が幾つも重なって形成される空間はいかばかりのものか。
期待に旨を膨らましつつ、はるばる土気までやってきたのですが。


魅力ある空間とは、どのようなものであろうか。

対象となる場所だけが良い空間であればいいのだろうか。
対象そのものの空間と、そこへ繋がる周辺の空間。
その関係性を考慮してこそ、真の空間デザインというものではないだろうか。




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hoki_backside1.jpg


美術館へ向かう朝。
雨がシトシトと、あいにくの空模様。

しかしせっかく上京してきたのだから。
持ち前の晴れ男ぶりをもってすれば、到着する頃には雨も上がってるかな、
...と一縷の望みを抱きながら電車に乗ったのですが。


...朝よりもひどくなってる;;

そして傘もなく。
仕方なくバスを降りてずぶ濡れになりながらダッシュ。

こうしてのっけから幸先悪いスタート。

それでも受付のお姉さんが、親切にタオルを渡してくれるのを見て、
一縷の望みを抱きながら美術館に入ったわけですが。


hoki_sideview.jpg


外は土砂降りなので、外観を撮影する間もなく中へ。

しかし館内は全面撮影禁止。
もうそれだけで、モチベーションが半減しちゃう。

しかしそれでもやはり内部空間も魅力的。
白を貴重としたシンプルな色調。
明るい室内でありながら天井を見上げると無数のLED照明が天の川のごとく煌く。
微妙に湾曲したカーブが空間に柔らかさをもたらす。


Facebookで知り合った大学の後輩が、「どうだ!」と主張するような建築は苦手、と言っていました。
僕はその真逆の好みですが、彼女が言わんとしていることはなんとなく分かるような気がします。
ただ、「どうだ!」と主張するような建築であっても、
心地よい空間を提供することは可能だと思うのです。

主張が強いだけでは、グラフィックデザインと同じです。
...決してグラフィックデザインを過小評価するつもりはないですが。

確固たる主張をしながら、心地よい空間を実現するもの。
それがほんとうに良い建築だと思うのです。


hoki_backside2.jpg


写実絵画と聞いて、僕がまず最初に思い浮かぶ画家は犬塚勉氏です。
別に僕は絵画の専門家ではないので、一個人の記憶に過ぎないのですが、
ネットで見かけた彼に絵画の画像に釘付けとなり、強烈な印象を受けました。

残念ながら氏の作品はありませんでしたが、多くの素晴らしい写実絵画を見ることができました。
あえて言うなら、僕はやはり人物の写実より、風景の写実のほうが好きです。

写実絵画の魅力は本物(現実)とそっくりであることによるリアル感でしょうか。
僕はどうも違うような気がしてます。

リアル感は写実でなくても表現できることは、印象派以降の近代絵画が証明しています。
また写真が登場する以前、中世以前は写実絵画が主流であったわけですが、
それらの多くは画家の個性がなく、退屈なものでした。
絵画の魅力は印象派以降の近代絵画で一気に花開いたのです。

一方で写真ならではの魅力というものがあります。
単に現実の一側面を切り取るだけではなく、
カメラの特性と、記録されたデータの事後加工によるグラフィックデザインで、
写真は絵画並みの表現力を獲得しました。
現実の魅力をより際だたせる表現力です。

写実絵画にはその写真と似たような魅力があるのではないだろうか。

「現実の魅力を際立たせる」には、必ずしも現実そのままを描く必要はないわけです。

印象派のように、近くに寄れば荒いタッチが見えても、距離を置いてみれば、
現実そのもののような臨場感を醸し出す。
その不思議さが魅力だと思うのです。
この意味においては、印象派もある意味写実主義のように僕には感じます。


うーん、アツク語ってしまいました。


とても素晴らしい美術館なのですが、もう一つだけ不満を言わせてもらうならば、
ギャラリーやカフェやレストラン以外でのレストスペースが少なすぎる。
通常美術館にはエントランスロビーというものがあるわけですが、
この美術館にはほとんどない。
その点に置いて余裕の無さを感じてしまう点が残念でした。


ひと通り館内を見終えた後、雨上がってるかなあ...
とまたまた一縷の望みを抱きながら外に出てみるも、やはりどしゃ降り。

ここまで来て外観写真を一枚も撮らないのは悔しいので、
ずぶ濡れを覚悟で数枚撮影。
バックとサイドからの遠景をとるので精一杯。

急ぎバス停に向かい、ずぶ濡れになりながらバスを待つ。
バス停には屋根もなく、ひたすらずぶ濡れ。

昭和の森という公園そばにあるのですが、
森林の恩恵は何ひとつ感じられない。

もちろん傘を持ってこなかった僕が悪いわけですが、
縁の無さを感じずにはいられない。


縁を大切にする空間。
それも良い空間の条件ではないでしょうか。


【Information】オフィシャルサイト

アクセス:JR外房線土気駅よりバスで5分

開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで)

休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)

入館料:一般1800円 高校生・大学生・65歳以上1300円 中学生900円 小学生以下無料


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