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2017年5月12日

東京富士美術館コレクションー美の東西ー【新居浜市美術館】

アート

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新居浜市美術館で開催中の東京富士美術館コレクション展に行ってきました。

本展は新居浜市市制施行80周年記念事業として開催されるもので、
古今東西の美術コレクション三万点を有する東京富士美術館の協力を得て、
東西の一級品65点が展示されています。
二部屋三部構成、と規模こそ小さなものだけれど、
なかなか濃いエッセンスが詰まった良い展示でした。
こんな田舎でこんな素晴らしい絵画の数々が見れるなんて驚きです。
(新居浜はそれでも愛媛の中では都会のほうなんですが^^;)

もう一つ驚いたのは作品が収められた額の豪華さ。
作品に風格を持たせるための額の重要性、というものを改めて感じました。

惜しむらくは展示品にかけられたガラスのカバー。
作品を保護するため、ということは重々承知しているのですが、
作品に映り込む自分の影が見える度に我に返って落胆してしまう。
それが作品の魅力を三割減じてしまっている。
額が立派なものだけに余計にそのことが悔やまれる。

カバーガラスの問題は別に本展に限ったことではなくて、
借り物で構成する企画展にはつきものの悩ましさ。
ここで思い出すのが2010年の横浜美術館でのドガ展
目玉作品の「エトワール」にもガラスがかけられていたのだけど、
正面から見るとガラスが消える。
特殊なガラスなのか、特殊なライティングなのか、はたまたただの気のせいなのか。
いまだに分からないけど。

いつかカバーガラスに悩まされずに気軽に絵画鑑賞ができる日が来るといいなあ。



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新居浜市美術館が入っている複合文化施設「あかがねミュージアム」。

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独特の形状が面白い。

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今回は5月ということで鯉のぼりがかかってました。


会場内で気に入った作品をピックアップ。
会場内は撮影禁止なので、ネットから拾ってきました。


まずは新古典主義を代表する画家、ジャック=ルイ・ダヴィッドから。

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「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」(出典:Wikipedia)

本展の目玉作品の一つではありますが、会場にはダヴィッドが描いた本物ではなく、
ダヴィッドが主宰する工房が1805年に描いたとされるものが展示されていました。
工房の誰が描いたかまでは解説してなかったけれど、たぶん弟子たちが勉強のために描いたのかな。
本物を見たことがないのでイマイチ違いが分からず。


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「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」(出典:Wikipedia)

これもダヴィッドの代表作ですが、会場にはやはりダヴィッドが描いた本物ではなく、
弟子が描いたものが展示されていました。
やはりダヴィッドの本物を見たことがないので違いが分かりませんが、
本物はもっとでっかいそうです。


印象派、モネとその師匠ブーダンとの対比も面白い。


[ウジェーヌ・ブーダン「ヴェネツィア、大運河」(1895年)]



[クロード・モネ「海辺の舟(1881年)」

新たに知ったモネの絵。やっぱモネはいいなあ。
ブーダンとモネの比較で一番良いのはやっぱりエトルタの光景かな。


同じく印象派のシスレー。


[アルフレッド・シスレー「レディース・コーヴ、ラングドン湾、ウェールズ」(1897年)]

夕景なのだろうか、紫に照らされた砂浜が印象派独特の
「タッチ」で見事に表現されてます。


エコール・ド・パリ。


[アメデオ・モディリアーニ「ポール・アレクサンドル博士」(1909年)]

モディリアーニといえば、黒目がない生気の抜けたような表情が特徴的なんだけど、
こちらはきちんと黒目があって生気あふれる姿。


シュルレアリスム。


[ジョルジオ・デ・キリコ「ヘクトルとアンドロマケ」(1955年)]

この絵もいくつかバージョンがあるみたいで、
画像の作品は厳密には会場に展示されていたものとは異なります。


美しい貴婦人たち。

ジャン=マルク・ナティエ。

[ジョフラン夫人(1738年)]


ジュール・ジェーム・ルージュロン。

[鏡の前の装い(1877年)]


バルビゾン派の画家、カミーユ・コロー。

[もの思い(1865年−1870年)]


印象派の巨匠、ピエール=オーギュスト・ルノワール。

[赤い服の女(1892年頃)]


日本画も負けちゃいません。

上村松園。

[美人観書(1941年頃)]


鏑木清方。

[春宵(1935年頃)]


しかし、一番好きなのは伊藤小坡の「早春」。

表情の艶めかしさ。
繊細な立ち振舞。
指先まで神経の行き届いた奥ゆかしい仕草。

これぞ大和撫子。

二次元でペラっとした感の日本画は昔はあまり好きじゃなかったんだけどなあ。
自分も歳を取ったということなのだろうか。


美しい花たち。


[ジャン=バティスト・モノワイエ「花」(17世紀)]


[ジョセフ・ロデファー・デキャンプ「静物、バラ」(1890年頃)]

そのほかモイーズ・キスリングの花も良かった。


[横山大観「雪月花・夜桜(花)」(1952年)]

桜の絵はよくあるけれど、松明の赤が大観独特の妖艶さを醸し出してるなあ。



[竹内栖鳳]

日本画で描かれる獅子と言えば、あくまで空想上の珍獣の姿で描かれるものなんだけど、
リアルなライオンの姿を描いた屏風図は凄くインパクトがあった。
和洋折衷の良い形ではないでしょうか。


在京中に東京富士美術館の存在を知ることがなかったのが悔やまれる。
東京の山奥にこんな立派な美術館があったんですね。
いつかこの八王子の美術館に訪れたいものです。


図録
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1000円なり。
お手頃で助かるのだけど、一作品一ページにしてもっと絵を大きく載せて豪華版にして、
1800円くらいで売っても売れると思うなあ。


次回展の案内。

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大好きなジブリの展示じゃないか。
なんでもジブリに新居浜出身のアニメーターがいて、その伝手らしい。
さっそく前売り券を購入。

夏も新居浜に来ることになりました。

どうせなら別子銅山にも行ってみたいのだけど、
だいたい徹夜勤務明けで体力尽きてあきらめちゃうんだよなあ...



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