僕の好きな10の教会


年末年始にかけて「美の巨人」でフランスの礼拝堂が特集されてました。
レオナール・フジタ(藤田嗣治)の礼拝堂、マティスのロザリオ教会、
そしてコルビジェのロンシャンの礼拝堂。


教会が好きだ。
とくに熱心なキリスト教信者ではないけれど。

キリスト教に限らず、
日本の神社や仏閣、中国やインドの仏教寺院、イスラムのモスクなど、
宗教建築はいずれも美しい。


どうして宗教建築はかくも美しいのだろうか。
それは人々の「信じる心」を具現化したものだからだろうか。


...信じる心は美しく、疑う心は醜い。


僕が好きな10の教会。

僕が知っている教会なんて、まだほんのわずかだけど。
まだまだ世界には美しい教会が世界にはあるんだろうけど。

宗教の専門家ではないので、
聖堂や教会(church)、礼拝堂(chapel)の区別はとくにしません。


1.ロンシャンの礼拝堂

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(出典:ル・コルビュジエ財団公式サイト)

いわずと知れたル・コルビジェの晩年の最高傑作。

それまでの直線的な作風から一転して、
見る角度によってその造形がさまざまに変化する有機的な曲線。
今、一番見たい教会の1つ。


2.サグラダファミリア

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(出典:Wikipedia)

いわずと知れたスペインの巨匠ガウディの最高傑作。

今なお未完で建築中というそのスケールのでかさに圧倒されそう。


3.フィルミニの教会

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(出典:Wikipedia)

ル・コルビジェが設計した3つの宗教建築のうち、最後に完成したもの。
彼の没後41年を経て2006年に完成。


4.東京カテドラル

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丹下健三設計。
今回の10の教会のうち、唯一訪れたことのある教会。
十字架をモチーフにした外観が一際目を惹きます。


5.光の教会

安藤建築の傑作の1つ。
壁面を十字に切ってその隙間から入ってくる光はまさに「聖なる光」。


6.St Mary's Cathedral

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(出典:Wikipedia)

イタリアの構造設計者ピエール・ルイジ・ネルビによる設計。
十字の屋根は丹下氏東京カテドラルを彷彿とさせます。
竣工は東京カテドラルが1964年、この教会が1967年。
ネルビは東京カテドラルを知っていたのだろうか...


7.マティスのロザリオ教会

元旦に放送の「美の巨人」SPで知ったのですが。
色彩の魔術師らしく、明るい色彩がとてもいい感じで美しい。


8.レオナール・フジタの礼拝堂

正直、藤田の画風はあまり好きではないのだけど、
この礼拝堂はなぜか惹かれた。
彼が晩年に建てたこの礼拝堂は派手な若かりし頃とはうって変わって、
素朴でとてもシンプル。

怒濤の人生を歩み、故国に見捨てられた画家が
晩年に辿り着いた境地とはどのようなものだったのだろうか...


9.Jubilee Church

つい最近知ったものですが、リチャード・マイヤー設計のローマの教会。

3枚の球面状の壁面がすごくモニュメンタル。


10.ヴオクセニスカ教会

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(出典:北欧建築ゼミ アアルト

北欧の巨匠、アルヴァ・アアルト設計。

天井と壁面が融合したその内部空間は母親の胎内を彷彿とさせる。


この他シャルトルやランス、パリなどのノートルダム大聖堂や
ケルンの大聖堂などのゴシック大聖堂も好きだけど、
今回の10の教会に共通することはいずれも「個性的である」こと。


様式に流されない、確固たる信念を持ちつつ全てを受け入れようとする心。
それが美しい教会、というものなのか。