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2016年2月 アーカイブ

2016年2月13日

ピカソ 偽りの伝説【アリアーナ・S. ハフィントン】

アート / 読書

ピカソ 偽りの伝説〈上〉

ピカソ 偽りの伝説〈下〉


久々の読書。

世界で一番多作で、多才で、有名な画家の伝記。
その際立つ天才さゆえに、その部分だけがクローズアップされ、
社会の中で神格化されていった。
しかしその素顔は...というのが著者のつけたサブタイトルの意図ではないだろうか。


人間が持つ「能力」と「人間性」は必ずしも比例関係にはない。
むしろある特定の才能に長けたものは、その能力が高ければ高いほど、
人間性にどこか問題があることが一般的には多い。

画家ピカソもその例に漏れず。
彼に関わった人間、とくに女性たちはことごとく天才の刃で傷つけれらた。
女性を虜にする魅力を持っていながら、彼自身は女性を軽蔑していた。
溢れんばかりの生命力を宿しながら、死への恐怖を人一倍深く抱えていた。
溢れんばかりの生命力を負の方向へと向けたなら...

その意味では彼はメフィストフェレスだったのかもしれない。


著者は芸術家ではないジャーナリストであるため、
芸術そのものへの関心や造詣はそれほど深くないけれど、
だからこそ、かの巨匠芸術家を冷静な目で見つめ、客観的な立場で
彼の人生を語ることができたのかもしれない。

一方で彼に関わった女性を傷つけた所業に対して、
同じ女性、という立場で少々厳しい批判的態度を感じなくもない。


いずれにせよ、芸術を社会の中での位置付けを考えていく上では
主観的にも客観的にもちょうどよい塩梅だったのかな。
客観的すぎれば興味が換気されない平易さに陥るし、
主観的すぎればこれまた偏りすぎて社会性に欠けるものになってしまう。


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