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2010年9月 アーカイブ

2010年9月30日

D.N.A.【卒業制作中間審査会】

学業

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卒業制作中間審査会が終わりました。


先に講評結果から述べると、
意外にも、全体的にも個人的にも概ね好評でした。
どちらかといえば作品の出来不出来よりも、プレゼンが評価された感じ。

プレゼンは確かに重要だ。
どんなに良いものを作っても、その良さが相手に伝わらなければなんにもならない。

しかし一方で、良いものは言葉がなくてもその良さが伝わるものだ、
という気持ちもなくはない。


個人的にプレゼンは必要以上に上手になってはならない、という思いがある。
プレゼンはデザイン固有の手法ではなく、
あらゆる分野における社会的な基本スキルである。
そしてプレゼンは言葉を主体とした表現手段である。
情報デザインならともかく造形デザインにおいては、
その表現は言葉が全面に出るようなことがあってはならないと思う。
それは作品として時にその価値を誤魔化してしまう怖れもある。
はっきり言えば、必要以上に良く見せてしまう場合もある、ということである。
とくにデジタルツールが誰でも手軽に扱える現代ではとくに。

上手すぎるプレゼンはもはや良いデザインではなく、良い営業となってしまう。
もちろんデザイナーとて、営業手腕は大事ではあるけれど。

ものの真の価値を見出す力と、その価値を表現する力、
どちらも大切にしながら良いものを作っていきたい。


しかし、いくつになってもプレゼントは緊張するもんだ。

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2010年9月26日

2つの「人間らしさ」

学業

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卒業制作中間審査まであと4日。

空間を意識できるスケールでの基本ユニット完成後、スタジオで写真撮影。
写真写りを良くするために模型をラッカースプレーで白く塗装。
スタジオといってもうちのキャンパスにはそれほど充実した設備が
あるわけじゃないけれど、それでも障害物がない空間が用意されているだけでも、
できあがる写真は僕のような素人でもそれなりに良くなるので有り難い。

ブログをやるようになり、美大に入ってからはさらに写真を多く撮るようになったけど、
いまだにカメラ機材や、撮り方の技術などにはとんと無頓着。
ソニーのα100のAutoモード、オートフォーカスで三脚なんかもほとんど使わない。
最近になってようやくレンズを変えてみたいなあ、と思うようになったけれど、
極貧状態の今の状況ではそれも叶わず。


写真撮影後は、発表時のパネル作り。
規定はA1サイズ2枚以上。
が、実際はプロジェクタによるパソコン上のデータでのプレゼンメインになるため、
会場内は暗く、審査員もほとんど見ることがないと思われるのだけど、
どうやら慣例というだけで用意しなければならないらしい。

印刷代は無料とはいえ、A1ともなるとパネルだけでも1枚1000円ほどかかる。
けっこう痛い出費。


ほとんどポスター感覚で仕上げて印刷依頼。
週明けにはできあがる予定。
これをハレパネに貼るのがまた大変なんだな。

あとは当日のプレゼンデータの準備。

ゴールをある程度明確にしておかないと、
審査員の先生たちに自分がやりたい意図が伝わらないからなあ。


自分でもまだはっきりゴールが見えていないだけに、悩みどころである。
グラフィック表現は苦手だし。


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2010年9月22日

かもめ食堂のシナモンロール

学業

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いつか自分の工房を持ちたい。

それが僕の最近のもっぱらの夢である。
そしてのんびり自分の創りたいものを創りつづける。

ヒット商品とか、流行品とか、そういうものにはとんと興味がない。

そういった類のものは、だいたい自分以外の巨大な力の影響を受けて、
自分の力の及ばないものになってしまう気がする。

別にそういったものすべてが悪だとは言わないけれど、
僕はそういうものづくりはしたくない。


かもめ食堂」開店当初の1ヶ月間、一人も客が来なかった。
宣伝活動をして客を呼ぼう、というミドリにサチエは言う。

「"レストラン"じゃなくて"食堂"です。
 もっと身近な感じっていうか...
 店の前を通りがかった人がふらっと気軽に入ってきてくれるような。
 毎日真面目にやってれば、そのうちお客さんも来るようになりますよ。」

大切なのは客の数じゃない。
どれだけ自分の店を、作品を愛してくれるか。
そしてどれだけその人たちの愛に応えることができるのか。
  
なまじ欲をかいてもっとたくさんの人に、なんて思ってしまうと、
自分の愛は自分から離れていってしまう。
自分から離れた愛は、もはや自分ではない。
愛には限りがあるのだ。

無限の愛を持つのはただ一人、神のみである。

人は手のひらいっぱいの愛を慈しむだけで幸せになれるのだ。
自分の手のとどく範囲で頑張ればいいのだ。


...前置きが長くなってしまったど。


木での基本ユニットが完成した。


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2010年9月19日

Form Follows Function ?

学業

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卒業制作の中間審査会まで2週間足らず。

先日プレプレゼンをして、本番前チェック。
3分という短い時間で自分のやろうとしていることをどれだけ伝えられるか。
不安は残るが、まあだいたい方向性はまとまった。


あとはモノを創るだけだ。

どんなにプレゼンデータを作りこんだって、モノがなければ説得力がない。
僕らはプレゼンデータを造るのが主目的じゃないんだから。
プレゼンデータはあくまで補助なのだから。


自分の頭の中のイメージを、見るだけではなく、触れることのできるものとして、
厳然と目の前の現実世界に「モノ」として存在させる。
まずはそれが一番大事だ。

それが良いものなのか、
多くの人の共感を呼ぶのか、
自分の伝えたいイメージがちゃんと伝わるのか。

...そんなことは後から自ずとついてくるだろう。


さあ、楽しい組み立ての時間がやってきた。


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2010年9月15日

建築家の講義【ルイス・カーン】

建築デザイン / 読書

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丸善の「建築家の講義」シリーズ。

今回はルイス・カーン。

数ある建築家の中でも、もっと詩的で哲学的な言葉を発する一人。
大好きな建築家の一人です。

本書は1968年にライス大学建築学科での講義とそれに続く質疑応答を記録したもの。
およそ40年以上もの時の流れなど、微塵も感じさせず、
今読んでもその内容は心に深く突き刺さる。

それはとりもなおさず、彼が本質を語っているから。


本当の魅力とは、本質に結びつくものでなければならない。
流行はあくまで本質へとドライブするためのトリガーであり、エネルギーである。


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2010年9月12日

えんぴつで奥の細道

読書

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月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人也。船の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいずれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂白の思ひやまず...


自由が丘によく行く。

でも、いわゆる「オシャレなお店」の類にはいっさい行かない。

僕が行くのはたまの外食の松屋、吉野家とか、あとは古本屋。

うち一件はブックオフで、もう一件がいわゆる本当の古本屋。

冊数ではブックオフには及ばないけど、デザインやアート、建築関係の古本が
けっこう充実していて、よく足を運ぶ。


その古本屋で見つけた一冊。


人はなぜ、旅に出るのだろう。
なぜ、旅に出たがるのだろう。

旅から戻ってはじめて、いつもいた場所の大切さを知る。


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2010年9月10日

建築、その変遷【S.ギーディオン】

建築デザイン / 読書

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夏休みの間に借りてた本、なんとか返却期限ぎりぎりで読み終えることができました。


最後の一冊はS.ギーディオンの「建築、その変遷」。
建築史家、ギーディオンの遺著で、日本語版は1978年出版。
すでにAmazonでは新書では買えなくなってます。

実はギーディオンの本、その主著「空間、時間、建築」に一度チャレンジして挫折。
今回も450ページにわたる分厚さで、読み切れるかどうか心配だったのだけど、
意外にも建築関係の本にしてはめずらしく読みやすく、
通勤の電車の中ですらすらと読み進めることができました。
...内容をちゃんと理解しているかどうかは疑問だけど。


そのタイトルの通り、建築の歴史を淡々と語ったものかと思いきや、
最初にギリシャを少し語った後、古代ローマの建築について延々と語る。
そして中世をすっ飛ばし、ルネサンス、バロックをかすめて一気に現代へ。
ル・コルビジェを語って終わる。

ぶっちゃけ変遷、というより古代ローマ建築と現代建築の「関係」を語ったもの、
と言った方が正確かもしれない。


かつての古代ローマ時代。
そこには現代にも勝るとも劣らない高度な文明が栄えていた。
建築も然り。

それが古代ローマの滅亡と共に文明は原始的なものに戻り、
以降再びその高度文明の域に戻るまでおよそ1800年もの時を要した。


しかしその悠久的な時の流れこそ、
本来の人間的スケールでの進化だと、僕には思えるのだが。


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2010年9月 5日

ジャングルモック【ガンスモーク】

プロダクトデザイン

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7月の終わり頃、今の靴がへたってきたので新しいのをAmazonで注文した。

いつもならMerrelのジャングルモックを注文するのだけど、
ふと見たら、メッシュ生地でローヒールのPRIMO BREEZE II というのがあって、
それがいかにも涼しげで夏場に良さげだった。

ジャングルモックは確かに履き心地は抜群でありながら靴の脱ぎ履きが楽という、
最高のシューズなのだけど、あえて欠点をあげるなら、夏場はむれるのが難点。

その靴は一度も履いたことはなかったのだけど、
同じメレルだし、問題ないだろうと思っていつものサイズを注文したのが失敗。

見事にきつくて履けなくて、やむなく返品。
幸いにもAmazonはすんなり返品に応じてくれて、
しかも返品送料も向こうが持ってくれた。
さすがAmazon。

やっぱり新しい靴は同じメーカーであっても、試し履きは絶対必要なんだね。


損はしなかったものの、一連の返品作業でなんか買うのがめんどくさくなって、
1ヶ月ほど今の靴で我慢してたのだけど。

けっこう限界が近づいてきそうだったので、
再びAmazonで注文しようとしたら...


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東京の未来を考える2010

建築デザイン / 展示・イベント / ポートフォリオ

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藤本壮介展に行ってきました。
....一週間前に。


石上純也同様、独特の雰囲気がある。

たぶんは彼らはこれからの建築を担う、新世代の筆頭格なのだろう。

...それは分かる。


しかし彼らの作品や、彼らの展示の仕方は落ち着きがない。

落ち着きのない建築に魅力はあるだろうか。


彼らを批判したいのではない。

たぶん、かつての偉大な建築家たちも若くして頭角を現した頃は、
こんな感じだったのかもしれない。


建築の評価には時間がかかる。
そのスケールが故に。

それが正しい評価のされ方なのだ。



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2010年9月 4日

国立科学博物館付属自然教育園【東京都港区】

空間デザイン

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ソフトはハードの中でしか生きられないことを忘れ、
ハードをないがしろにしてソフトが一人歩きをする時代。

自分にはそれがとても異様な光景に見える。
同時にこの状況がはたして良い状態なのか、
ソフトの一人歩きに加担するような仕事にやり甲斐があるのか、
平日はそんな疑問を抱えながら過ごす日々。


金曜日、バイトからの帰り道、自由が丘のブックオフで、
ガウディのムック本を見つけた。

ソフトカバーながらしっかりとした造りで、写真もテキストも充実していそうだった。
値段も定価の半額、ということもあってちょっと悩んだ末に購入した。


人間は創造しているのではない。
自然という偉大な書物にすでに記されている、
すべての答えをただトレースしているだけなのだ。


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ガウディがパワーをくれた。
今の自分に必要なのはスキル以上に前に進むためのパワーなのだ。

ここのところの連日の酷暑故に躊躇していた、
自然教育園に行くことにした。

答えを求めに。


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