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2010年6月 アーカイブ

2010年6月20日

近代建築とデザイン【川添登/高見堅志郎】

建築デザイン / アート / 読書

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同級生がくれた本。

出版・社会思想社、初版1965年。
もらった本は1998年の第19刷版。

かなりのロングセラーだったようですが、現在はほぼ絶版状態。


古い本だけど、かなり濃い。

1年生のときにデザイン史の授業を受けたけれど、
この本はそれを補って余りある。


自分がクラシカルに固執するのは単に懐古主義だからではない。
別に過去を知らずとも、新しいものは作れるのかもしれない。
新しい、ということはただそれだけで価値がある。
しかし、ややもすればその価値だけに依存しがちでもある。
そして、新しさを失ったとき、その価値も消えてしまうのである。

新しいものが新しいものでなくなったとき、
それが生き残ってゆくには、新しいだけでない、ずっと残っていく価値、
「本質」が芽生えていなければならないのである。

今を生きる自分が過去のものと出会うとき、
その過去は本質を備えているが故に生き残った良質なものたちである。
だから人はクラシカルを学ぶべきである。


故きを温めて新しきを知れ。


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メランコリー【オディロン・ルドン】

アート

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[『夢のなかで』より<Ⅰ.孵化><Ⅶ.猫かぶり>](出典不詳)


金曜日の中村先生の授業、「文学と美術」。

およそ4回ほどかけたモローが終わり、今度はルドン。
まずは初期の作品を見る。

印象派と同時代に生きながらまったく独自の路線を歩んだゴーイング・マイウェイ。
きっとB型なんだろう、この人。

印象派が光を求めたのに対し、
ルドンはその光をことごとく吸収した。
それはまさしく「黒い太陽」。


幼少時に母の愛を受けられなかったことが、彼の中の黒い太陽。

黒い気分。
それが「メランコリー」。


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2010年6月17日

D.N.A.【卒業制作基本審査会】

学業

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卒業制作には3つの審査会(プレゼン)があります。


その最初の基本審査会が無事終わりました。


3分という短い時間内で、概ね自分がやろうとする内容は伝えられた気はする。


講評も自分の問題意識と概ね一致していて、まあ最初の駆け出しとして、
間違った方向には進んでいないようだ。


しかしスピードが遅すぎる。
量をこなし、バリエーションを増やすのではなく、デプスを深めるが当面の課題。

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2010年6月13日

フィリップ・ジョンソン邸へ行こう

建築デザイン / 読書 / 人物

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バイト先での昼休み。

ミース再考」を読んでいたら、
バイト仲間が「こういうの好き?」と親切にも貸してくれた雑誌。

芸術新潮2009年6月号。
フィリップ・ジョンソン特集。

代表作「ガラスの家」くらいしか知らなかったので、とても勉強になりました。


金持ちの御曹司で、若くして莫大な財産を相続。
最初はMoMAのキュレーターとしてスタート、
かの有名な1932年の「モダン・アーキテクチャー」展を手がける。
30代でハーバード大で建築を本格的に学び、建築家としての遅いスタートを切る。

ガラスの家は、自分の広大な敷地に道楽で建てた建築群の1つだったんですね。

性格的には熱しやすく冷めやすい、新しもの好きで飽きっぽい。
モダニズムに傾倒していたかと思いきや、
後にはポストモダニズムの旗手となったり。


それでも彼が巨匠であれたのは、
本質的な「良さ」を本能的に見抜く力に長けていたからだろうか。

ガラスの家の中にはミースのバルセロナ・チェアが置かれているのですが、
その配置はガラスの家建設当時からずっと同じであり、
定規できっちり位置が決められているのだとか。


ものごとには変えるべき所と、変えてはならない所がある。

フィリップ・ジョンソンはその見極めの手腕が絶妙な建築家だった気がする。


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2010年6月12日

ミース再考 その今日的意味【ケネス・フランプトン 、ディヴィット・スペース】

建築デザイン / 読書

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過去にミースに関する本を2冊読みました。


  ・評伝ミース・ファン・デル・ローエ
  ・ミース・ファン・デル・ローエ 真理を求めて


再びミースについて考える、という意味で本書は最適かな、と思って読んだのですが。

いまだに1つもミース建築を実際に訪れたことがないからか、
...さっぱり分からない。

ニューヨークに旅行したとき、シーグラムビルを見逃したことが返す返すも悔やまれる。


それにしても。

"Less is More"をテーマに極限までムダを削ぎ落としたシンプルな立方体の空間に、
どうして周囲はこうも複雑な解釈をしようとするのか、不思議でならないのだけど、
ある意味そういう状況が本当の意味での"Less is More"なのかな。

写真を見るだけでもその美しさは半端ではない。
実物を見たときの感動はいかばかりか。
(...あるいはグラフィックの魔術で、実際はそれほどでもないかもしれないけど)


しかし彼の模倣品である20世紀都市はなんと醜いことか。

そして思うのである。


  「立方体は人間にとって最適な空間を与える本質的なフレームではない」


ミースだからこそ、立方体の空間を美の極みへ高められたのだ、と。


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2010年6月 6日

ヨーロッパ建築案内

建築デザイン / 読書

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TOTO建築マップシリーズヨーロッパ編。

その第2巻を自由が丘のブックオフで見つけました。


今こういう本を買うことに意味はあるのだろうか。
この本は僕にとって本質的だろうか。
この本は僕のライフ・ライブラリーの一冊に値するだろうか。

...正直迷う部分もある。


しかし僕の感覚はこうも言っているのである。


  「次のステップで必ず必要になる本だ」


と。

本で学び、実物を訪れて学び、自分で創って学ぶ。


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spiral

建築デザイン

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表参道spiral。

何度も足を運んでるけどちゃんと写真撮ってなかったので。


この裏にあるGallery5610に行ったついでに撮ってみました。


設計: 槇文彦

代官山ヒルサイドテラス、東京体育館、幕張メッセ、テレビ朝日...

東京の至るところのメジャーな施設を手がけている槇さんですが、
ライトやコルビジェ、丹下さんや村野さんのように、
あまり建築家のエゴ、というものは感じられない。

どちらかといえばミースのような。
これぞ「正統派モダニスト」なのでしょうか。


spiralを見る限りは少しポストモダニズムの匂いもしなくはないけど。


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木を使い、木を知り、木を生かす

建築デザイン / 展示・イベント

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TOKYO ART BEATで知って、見に行ってきました。

リサーチより手を動かしてモノを作れ、という段階なのですが、
ちょうど卒業制作で自分が創りたい、と思うものに近いイメージだったので、
どうしても見に行きたかったので。


場所は表参道の「Gallery 5610」。
spiralの真裏にこんな素敵なギャラリーがあったんですね。
spiralの正面側は良く通るのだけど、裏側は今回はじめて訪れました。


東大大学院農学生命科学研究科というなにやら小難しそうな研究所の
社会人向け木造建築コースの学生さんたちの作品展示らしい。

ギャラリーの内部に模型展示がしてあって、
外の中庭に実寸モデルの作品が3つほど展示してありました。


これこれ。
こういうことをやりたかったんだよ。


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2010年6月 3日

案ずるより産むが易し

学業

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女ほどでないにせよ、男にも「産みの苦しみ」というものはある。


なにかを創るとき、一番大変なのは一番最初のアイデア出しではないだろうか。


どんなコンセプトで創ろうか。
どんな形を創ろうか。
どんな構造で創ろうか。
どんな方法で創ろうか。
どんな素材を用いようか。


正直器用じゃないし、要領も良くない。
集中力もない。
二つのことを同時にできないタイプである。


卒業制作課題がなかなか思うように進まない。
あと2週間で最初の大きな山場を迎える。


ここのところは仕事のストレス、疲れからか、
とくにグダグダ感がひどかった。
何度も自己嫌悪に陥り、立ち止まり、
もうダメだ、とあきらめそうになったけど。


亀の歩みで、自宅でポツポツ基礎検討を続ける。

なんとか、最初の卵の卵が孵化しそうな、そんな気配が見えてきた。

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